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幻冬舎ゴールドオンライン【第76回】連載更新のお知らせ
2022/10/25/09:40
[連載]相続のプロが解説!人生100年時代「生前対策」のアドバイス事例【第76回】
◆長姉だけが気づいていた…高齢母の遺産を狙う「きょうだいの配偶者たち」の静かな攻防戦
◇平等主義が招いた、複雑怪奇な不動産共有
今回の相談者は、関西地方在住の会社員の山川さんです。80代になる母親の将来の相続について不安があるということで、筆者のもとを訪れました。
山川さんは4人きょうだいの長女で、20代後半で結婚して以降、夫の出身地の神戸で暮しています。実家は品川区で、いまは広い自宅に母親が1人で生活しており、きょうだいである二女・長男・三女は、それぞれ都内の賃貸物件に暮しています。父親は数年前に亡くなっています。
母親が暮らす家は広い敷地があり、自宅建物のほかに貸家が2軒建っています。自宅は駅近の広い道路に面した角地という好立地で、母親は年金と家賃収入で悠々自適の生活です。
「父親の相続時、不動産を全員の共有で相続してしまいまして…。当時は問題なかったのですが、母が亡くなったあと、揉めるのではないかと心配しています」
お話を伺うと、広い自宅敷地は2筆に分かれており、敷地とそこに建つ自宅・貸家2軒は、母親・二女・長男・三女の共有名義だというのです。
「私は結婚して以降、神戸で生活していて、今後も東京に戻る予定はありません。ですので、父が亡くなったとき、私はそれなりの現金をもらって、残りのお金と不動産は母とほかのきょうだいで分けるように言ったのです」
自宅敷地は、もともとは自宅建物がある部分だけだったのが、隣地が売り出されたのを山川さんの父親が購入したことで2筆の状態となり、その後、家賃収入を得るために、貸家を建築したという経緯があります。
「私の母も、妹や弟も、本当に性格がのんびりしているというか、世間知らずなところがありまして…。父の相続時も〈平等にしよう〉といって、現在の状態になったのです」
山川さんは、相続を経験した夫から「このままにしていると、将来大変なことになる」と指摘されたそうです。母親にもアドバイスしたものの、「そうなのね、どうにかしなければね」と繰り返すばかりで、まったく行動に移さないため、しびれを切らしたということでした。
「妹たちも弟も、すでに家庭があって子どもがいるんです。母の相続までうやむやにしたら、大変なトラブルになると思うんです…」続きはコチラから