事例

相続実務士が対応した実例をご紹介!

<相続後>分割・納税【斉藤さん・不動産賃貸業からのご相談】

■遺産分割■ 地役権が設定されている土地を減額した 斉藤さん 2億2,651万円節税

相続の状況

■節税額の合計 節税額2億2,651万円 評価減 1億1,797万円
■節税項目 [遺産分割]小規模宅地等特例
[評価・申告]地役権、不整形地
[納税]配偶者税額軽減(49%相続)

斉藤さんの父親は、祖父から引き継いだ農地を所有してきましたが、宅地化が進み、土地を活かして賃貸マンションを建てるようになりました。10年ほどのあいだに毎年のように賃貸住宅を建て、10棟200世帯の賃貸住宅を所有、年間1億円以上の家賃収入を得るようになりました。管理法人も設立して長男の斉藤さんが賃貸管理を専業しています。 年間1億円以上の家賃収入を得るようになりました。
事業には建築費の借入も必要となり、亡くなったときでも12億円もの借入がありましたが、それが確実な節税となっています。多くの農地を所有していた父親にとって、相続税の節税対策は不可欠な課題だったのです。
相続に備えて納税用の現金を残したいため、借り上げ法人を設立してきましたので、父親自身の預金は多くありません。また、土地はほとんど活用しているため、広大地の適用もできないと思われるのですが、できれば専門家に依頼して節税したいと考えました。

財産とご家族の状況
  • [相談者]:斉藤さん・不動産賃貸業
  • [被相続人] :父親80代
  • [相続人] :母親80代、長男60代、長女50代、次女50代、三女50代、養子20代
  • [財産の内容] :自宅、貸家、貸アパート、山林、投資信託
  • [遺言] :なし
[相続税の節税額]
相続財産 25億4,014万円
債務、葬式費用 △ 12億3,273万円
◆小規模宅地減額 △2,226万円 (240㎡ 80%適用)
◆地役権による評価減 △1,081万円
◆不整形地による評価減 △8,490万円
 課税価格 11億8,944万円
 基礎控除(相続人6人) 1億1,000万円
 相続税総額 3億5,391万円
◆配偶者税額軽減 △1億7,359万円
 納付した相続税 1億8,032万円②
 当初の相続税額 4億683万円①
◆節税額 2億2,651万円①-②
・評価減できた項目と節税額 ・・・添付グラフ
1.小規模宅地等の特例の評価減
  →自宅にて適用
・・・評価減2,226万円
2.地役権による評価減 ・・・評価減1,081万円
3.不整形地による評価減 ・・・評価減8,490万円
4.配偶者控除の特例 通常の相続税額 3億5,391万円 → 1億8,032万円
課題

・ほとんどに賃貸住宅が建っている上、広大地評価には適さない
・納税資金が不足しそうなので、できるだけ節税したい
・不動産は賃貸経営をする長男が相続したい

相続コーディネーターから

賃貸アパートを建てている土地は駐車場、アパート、私道、畑の4つの利用に分けて評価をしますので、奥に位置する畑と私道は不整形地になり、評価が下がります。私道は通り抜けはできず、アパートと畑のためのもので路線価の30%の評価です。
駐車場にしている土地には地役権が設定されており、上空を高圧線が通っていることがわかりました。建築はできますが、高さ制限があるため、そのリスクを減額できました。
さらに「小規模宅地等の特例」を適用することと「配偶者税額軽減」の特例を利用することで、納税を減らしました。母親の相続まではまだ時間があると考え、次は資産組み替えにより、競合を避けながら維持しやすい財産にすることが目標です。
不動産の評価きめ細かくしてもらって節税できました

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