事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
<相続後>分割・納税【木村さん・会社員からのご相談】
■遺産分割■ 木村さん 1億2514万円節税
相続の状況
■節税額の合計 | 節税額1億2514万円 評価減 2億8839万円 |
---|---|
■節税項目 | [遺産分割]小規模宅地等特例 [評価・申告]広大地、貸宅地 [納税]配偶者税額軽減(28%相続) |
木村さんの父親は、農業のかたわら大工としても働いてきました。農地と自分の仕事を活かして、40年ほど前から平屋の貸家を建てて、貸家業を営んできました。土地の一部を売却して、そのお金で建ててきましたので、亡くなったときに負債はありませんでした。
父親が亡くなったとき、木村さんと弟は会社勤めのため、思うように時間がとれないため、相続税の申告手続きは母親がするということになりました。木村さんは両親と同居をしていますし、弟もすぐ近くの父親の土地に家を建てて住んでいますので、集まることに不便はありませんが、依頼した税理士からは期待するような資料が送られてきません。納税できるほどの現金がなく、現金は母親が相続したいと言っているため、できるだけ節税したいという気持ちですが、節税はできないという回答しかありません。
そこで、節税してくれる専門家を探して相談してみると、土地の評価で節税できることがわかり、最初の税理士を断り、切り替えることにし、頼むようにしました。
財産とご家族の状況
- [相談者]:木村さん・会社員
- [被相続人] :父親80代
- [相続人] :母親80代、長男50代(本人)、次男50代
- [財産の内容] :自宅、貸家、貸アパート、現預金、有価証券
- [遺言] :なし
[相続税の節税額]
相続財産 | 5億7,160万円 |
---|---|
債務、葬式費用 | △378万円 |
◆小規模宅地減額 | △1,277万円 (240㎡ 80%適用) |
◆広大地による評価減 | △1億6,790万円 |
◆貸宅地による評価減 | △1億772万円 |
課税価格 | 2億7,943万円 |
基礎控除(相続人3人) | 8,000万円 |
相続税総額 | 3,885万円 |
◆配偶者税額軽減 | △1,097万円 |
◆納税猶予額 | △889万円 |
納付した相続税 | 1,899万円② |
当初の相続税額 | 1億4,413万円① |
◆節税額 | 1億2,514万円①-② |
・評価減できた項目と節税額 | ・・・添付グラフ |
---|---|
1.小規模宅地等の特例の評価減 →自宅にて適用 |
・・・評価減1,277万円 |
2.広大地による評価減 | ・・・評価減1億6,790万円 |
3.貸宅地による評価減 | ・・・評価減1億772万円 |
4.配偶者控除の特例 | 通常の相続税額 3,885万円 → 2,788万円 |
5.農税猶予の特例 | 通常の相続税額 2,788万円 → 1,899万円 |
課題
・財産の大部分が土地
・現金は母親が相続したい
・納税できる現金がない
相続コーディネーターから
木村さんの自宅は農家住宅で、自宅の前に生産緑地に指定している畑が広がっています。自宅と農地に分けて評価をしますが、農地は面積が広く、広大地評価ができると判断しました。生産緑地の農地でも、市街化区域は宅地として課税されますので、広大地の適用ができます。また、貸宅地は、一体の土地を3人の借地人に貸しています。土地は分筆をしていませんが、現地調査でそれぞれが利用している地形と面積を算出することで不整形地となりますので、減額できました。 農地は長男が相続し、会社勤めの合間に農業を継続するようにしますので、農地の納税猶予を受けるようにし、納税の負担を減らしました。