事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
ほとんど詐欺! 不動産投資で借金が残る!
Aさんは国立大学を出て一部上場企業に勤めるエリートサラリーマンです。
まだ20代ですが、海外出張もこなし、ばりばり仕事をしていて、将来が期待されています。
昨年、Aさんは職場の上司から不動産投資を勧められ、ほぼ同年代の不動産会社の社長を紹介されました。
世田谷の売地を所有しているので、アパートオーナーにならないかというのです。
価格は1億6000万円。50坪の土地に木造2階建て、10世帯のワンルームという物件です。
先輩が間に入り、2000万円値引きするというので、購入を決断。
まずは土地を1億円で契約、売主がS銀行を紹介して融資をしてくれて、自己資金は名義替えなどの諸費用に充てるため、全額融資で賄いました。
建物は4000万円で契約し、建築確認が下りたときにさらに4000万円の融資を受け、1000万円を支払って、建築工事が始まりました。
ところがその後、2か月後に上棟するので中間金という約束が、半年過ぎても連絡がないため、Aさんが不動産会社に電話をすると、会社も個人の携帯もつながりません。
困って弁護士に相談し、弁護士の紹介で相談に来られました。
土地の登記簿はAさん名義になっていて、契約通りですが、問題は価格です。
なんと、相場の1.5倍の価格で購入していました。
建物は別契約ですが、銀行融資は一括で下りていますので、3000万円はまだ手元に残っていますが、すでに返済が始まっています。
現地を見に行くと案の定、基礎工事で放置されていて、むき出しの鉄骨が錆びている状態でした。
解決策として考えられることは、次の3つです。
①建築会社を変えて建て直す
②土地を売却し、返済して、精算
③断念して自己破産
現状分析すると
①は、土地が高すぎ借り入れが多すぎるため、収支が合わず返済は持ち出し
②は、土地だけ売却するには安くして売るしかなくローンが残る
③は、返済のめどが立てられない場合は自己破産してしまう
よって、③の自己破産の道が一番賢明な選択肢だという結論になりました。
Aさんには残念な結論ですが、現状を受け入れて、決断されることをお勧めしました。
紹介者の弁護士も、不動産の収支などの判断がつかないため、当社のアドバイスが的確でよかったと言っておられました。
不動産投資は財産を形成する手段ですが、金額が大きいだけに信頼できる会社を見極めることが大切です。
相続実務士から
職場の上司の紹介というきっかけで信用されたのかと思いますが、購入する際には売主の説明だけでなく、不動産の専門家の判断も仰ぐことが必要。
判断材料は収支バランスですので、最初の確認が大切です。
夢相続の不動産プラン
不動産を売却・購入することが対策になります。