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相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
アパートと駐車場を保有している服部さんの節税方法とは?!
[ご家族の状況]
依頼者 服部さん(30代・女性)・職業 会社員
家族関係 祖父、長女、次男、養子(亡長男の妻)、孫3人(亡長男の代襲相続人・相談者は次女)
財産内容 自宅、アパート、駐車場、預貯金
[課題]区画整理事業地内の土地ばかりで対策ができない
服部さん(30代・女性)は、祖父母と両親と3世代で同居してきました。
父親が長男であり跡継ぎの立場ながら、祖父母よりも先に他界してしまい、母親が祖父母と養子縁組みをし、二人の面倒を看てきました。
そのうちに、祖母も先に亡くなってしまったため、相続税が気になり、相談にいらっしゃいました。
祖父の財産の大部分は自宅周辺の土地で、その全部が土地区画整理事業地内に指定されています。その区画整理事業は、市の認可は下りているものの、造成工事はまだこれからです。しかし、区画整理地内というのは、造成工事が始まれば、建物の移転や土地の位置変更や面積が減歩に協力せざるを得ません。
その様な状況ですので、これから建てる建物は鉄筋コンクリートのような堅固な建物は許可されず、木造程度となり、しかも、移転や解体を余儀なくされることもあります。よって、土地を活用した対策がとりにくいのです。
しかし、所有地が広く相続税がかかるため、少しでも節税対策になる方法を探しました。
[Step1]小規模宅地特例の検証
祖父は、公正証書遺言を作成しており、それぞれの不動産を誰に相続させるかは決めていました。
遺言の内容では、自宅は養子である母親が相続することとしてあります。母親は祖父と同居をしているので、小規模宅地の特例が適用できると判断しました。
[Step2]収益がある建物を孫に贈与する
更に遺言では、アパート2棟を姉と服部さんに相続させると記載されていました。祖父の財産の大部分は土地で、預貯金は多くありません。また、今から生命保険などに入れる年齢ではありません。
そこで、アパートの建物だけ、生前に祖父より贈与をしてもらう案を提案しました。建物は、固定資産税評価が基準となり、現金で贈与するよりも低い評価で贈与できるのです。節税につながるなら、ということで祖父は快く了解してくれました。
また、遺言の存在は、服部さん家族だけでなく、叔母、叔父も知っており、内容や贈与についても異論はないということで、手続きをすることにしました。
この対策を行うことにより、祖父の相続税と所得税の節税ができます。贈与を受けた服部さんたちはアパートの家賃を受け取ることができるので、生活費の補填になり、納税資金を貯めることができます。
◇対策の節税効果◇
★純資産価格
対策前 2億500万円 → 対策後 1億6800万円
①収益のある建物の贈与 ▲600万円×2人
贈与税:600万円-110万円=490万円 → 82万円×2人
②所得の分散 900万円×2人
【合計】▲1200万円の評価減
★節税額
対策前の相続税額 1155万円
対策後の相続税額 650万円 ▲505万円の節税
★所得分散額 1800万円/年
【節税額】505万円
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