事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
不動産の共有なしに不満のでない分け方はできるか?
◆夫が亡くなり15年
F様は80代女性。夫が亡くなったのは15年前で、まだ、現役で建築会社の経営をしている社長の時でした。
幸い、長男が専務として会社運営に関わっていましたので、夫の急死にもかかわらず、会社は大きな影響もなく乗り切ることができたのです。
夫は60代後半でしたから、遺言書もなく、相続対策もしていませんでしたが、配偶者の特例等を適用することで、納税も減らすことができて、無事に相続を終えられました。けれどもFさんも80代になり、長男の他に、長女、次女の3人の子どもたちが困らないようにしたいとセミナーに参加され、個別相談も希望されました。
◆子どもたちが公平になるように
Fさんが夫から相続したのは自宅とアパートの土地、会社が使う土地です。遺言書がなかったため、3人の子どもたちと遺産分割協議をしたところ、不動産はFさんが相続するということで皆、納得したのでした。
自宅はFさん夫婦で住んでいて、今はひとり暮らしですが、隣接するアパートの1室に長男家族が住んでいます。長女と次女は結婚して他県に嫁ぎましたが、1時間程度の距離のところに住んでいます。これからの老後は娘2人の世話になることも考えられるので、子どもたち3人とも公平になるようにしたいのです。普段は長男からも相続の用意をしてと言われているといいます。
◆遺言書の案は不動産の共有
さらにFさんが言われるには、長女が不動産をもらいたいと聞いているので、自宅と会社の土地は子ども3人で共有にすれば公平になると思い、銀行から勧められて遺言書はその内容で作ったというのです。
けれどもセミナーで不動産の共有はよくないと聞いて、それも不安になったのでどうすればいいかというのがご相談でした。
そこで、相続プランの委託を頂き、課題を整理、ご提案することにしました。
◆不動産の共有なしにバランスをどう取るか?
Fさんの財産評価をすると自宅・アパート3700万円、会社の土地7300万円、預金4000万円、保険1500万円、負債はありません。
不動産は住んでいたり、使用している人が相続することが望ましいところです。
自宅は2つに分けられなくもないのですが、3つには難しい地形です。もう1つは長男の運営する会社の建物が建っていて、分けられません。しかし2つとも長男が相続すると7割となり、バランスが悪すぎます。
◆会社に土地を譲渡する案
そこで会社が使う土地を、会社がFさんから買い取り、譲渡代金をもとに長女、次女が相続できる区分マンションを購入する案を提案しました。会社の購入資金は銀行融資を受けます。
このように資産組み替えすることで、評価を下げながら、分けやすい財産になります。土地の面積を少なくすることで相続税は節税できます。
Fさんは子どもたちと相談するということですが、長男はそうしたいという返事だったようです。そうした対策が進んだのちに遺言書を作り直して頂く予定です。
ご相談は夢相続へ
●できる対策⇒相続対策のプランを練り直す。
会社が利用する土地を、会社が個人から買い取る。
会社の土地を売却し、土地が小さい区分マンションを買うと節税になる。
不動産を共有しない遺言書を作り直す。
●注意ポイント⇒会社に土地を売却すると譲渡税が課税される。(譲渡益の20%)
資産組み替えなしでは、長男が妹たちに代償金を払うことになる。
遺言書の作り直しは必須。
最初のご相談は無料です。
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