事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
不動産を買っても空室!?母親に代わって相続対策を考えたい
◆母親は70歳手前
Oさん(30代・男性)が母親の相続対策を考えたいと相談に来られました。
母親(60代)はOさんが10代のころ、父親と離婚、独りでOさんを育ててきました。その後、母親は再婚することはなかったため、Oさんは一人っ子です。
母親は美容院を経営しており、まだ現役で仕事をしています。それだけに母親には時間的な余裕もなく、Oさんからみれば何も相続のことは考えていないよう。
一人っ子で揉めることがないのは幸いですが、相続税がかかるのでは?と不安になっているということです。
◆母親の財産
母親は、やはり事業家だった父親から8世帯の賃貸マンションを相続しており、家賃収入があります。それだけではなく、現金の余裕ができるたびにタワーマンションなどを購入しており、4部屋を所有しています。その他に戸建ての自宅があります。
自宅の建物が古くなってきたことや一人暮らしには広いので、賃貸住宅に建て替えて、所有するマンションの1室に転居する案を考えているが、それは進めたほうがいいかという質問でした。
建て替える予定の賃貸住宅は、4世帯を予定しており建築費は4500万円とのこと。建築費は借り入れ予定だといいます。
◆現状では相続税がかかる
母親の財産は2億5000万円で、7000万円近い相続税がかかります。そのため、節税対策が必要なのは明らかです。
自宅を賃貸住宅に建て替え、借り入れもしておくと相続税は2000万円ほど減らせますので、効果は大きいと言えます。家賃で返済できる見通しがつけられるので、計画通りに進めたほうがいいとアドバイスしました。
◆他にも対策できる
母親が所有するマンション4部屋は、貸すこともなく空室のまま所有しているということもわかりました。賃貸すれば貸家評価になり、小規模宅地等の特例も使えますので、自宅にする部屋以外の3部屋は賃貸することをアドバイスしました。
さらに預金と株で8000万円の金融資産があり、生命保険にも5000万円加入しているといいます。
これからは賃貸収入が入るようになること、母親はまだ元気ですぐに老人ホームなどの資金が必要ではないことなどの理由で、金融資産は評価が下がる不動産に変えたほうがいいこともアドバイスしました。
また、祖父から相続した賃貸マンションの築年数が経つと維持費がかかるため、維持するのであれば建て替えの検討も必要です。あるいは売却して買い替えも検討項目だと言えます。
Oさんは方向性が整理できたので、母親と相談して進めますと少し安心されたようでした。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒土地活用をして賃貸住宅を建てることで節税効果は得られる。
空室で所有するよりも賃貸すれば評価が下げられる。
●注意ポイント⇒不動産にするだけで金融資産よりも評価は半分程度に下がるが、
さらに賃貸することで評価は下げられる。
空室のままにしないことが必須。
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