事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
借り入れのない土地は担保提供しない!分筆して遺言書も必須
◆自宅の建て替え計画
Yさん(70代女性)は、賃貸併用住宅に独身の次男と二人住まいをしています。長男も賃貸アパートの1部屋に夫婦で住んでおり、ほどよい距離で生活しています。夫は5年前に亡くなり、長女は嫁いで他県に住んでいます。
自宅の築年数が40年近くなり、賃貸アパートは長男夫婦だけとなったことから、建て直しを検討することになりました。
ところが腑に落ちないことがあり、相談に来られたのです。
◆今度は2棟に
Yさんの自宅の土地は60坪ありますので、長男と次男に半分ずつ相続させたいと考えています。奥が長い長方形ですので、縦割りにはできませんが、手前の区画と道路を取った旗竿地の区画の2つに分けることはできます。手前がYさんと次男が住む家とし、旗竿地は長男夫婦が住む家といいことでふたりの合意も得ました。土地はYさんが亡夫から相続したもので、いまは1筆です。
◆担保提供の合意書
建築会社も決めてそれぞれの家の建築費の見積なども出て、これから契約ということになり、建築会社の担当者が銀行員を連れてきて、Yさんに「この書類に実印を押してください」と言われて、深く考えずにYさんは実印を押したといいます。
しかし次男からその押印した書類は取り消すようにと言われて、破棄したと言います。
それは担保提供の合意書で、まだ、分筆もしていない土地の全部を担保提供するという内容になっていたのでした。
◆自宅は借入しない
Yさんの家は次男が3分の1を出し、3分の2をYさんが出す予定で、借入しなくても預金で賄える予定です。
しかし長男夫婦は、2分の1の共有とするようで、それぞれが銀行借り入れするのですが、長男だけでなく、長男の嫁の借り入れにも担保提供をする内容です。しかも、長男の建物の土地だけならまだしも、Yさんと次男の住む家の土地まで担保に入れるという内容でした。
◆自宅は担保に入れない!
このまま次男と嫁のために担保提供をしてしまうと、自宅の部分も影響するため、まずは分筆し、長男に相続させる予定の土地のみ担保提供することをアドバイスしました。そのうえで、遺言書を作成し、次男が住む土地は次男へ、長男が住む土地は長男にとしておくことが必要です。
さらに土地を渡せない長女には生命保険に加入して、非課税枠を利用して節税しながら受け取りを長女にしてバランスを取ることもアドバイスしました。
Yさんは、担保提供するところが不安だったようで、整理できたのでそのように進めたいとほっとされていました。公正証書遺言は当社でサポートできるということも安心できたようです。
相続実務士のアドバイス
●できる対策
土地は分筆して、2区画に分ける
借入のない自宅は担保提供しない
長男に相続させる土地のも担保提供をする
●注意ポイント
土地を分筆しないまま担保提供をしてしまうと、将来、分筆しても担保がはずせず、トラブルになりかねない。公正証書遺言は必須でそれぞれが相続する土地を明確に決めておかないともめる要素になる
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