事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
同居の娘に家を渡すため。遺言書はこっそり作らない!
◆80歳を機に
Nさん(80代・男性)は数年前に妻を亡くし、一人暮らしになりました。それでは食事なども困るだろうと3人の子どもたちで相談し、キャリアウーマンとして仕事をしてきた長女が同居することを決めました。
幸い、長女の勤務先はNさんの家からも通いやすいところにあり、お互いに助かるということにもなったといいます。
ことしNさんは80歳となり、相続のことも準備をしておきたいと、相談に来られました。
◆妻が先になるとは・・・
Nさんは地方から東京の大学に通うために上京し、そのまま上場企業に就職をしました。長女の他に長男と次男にも恵まれて、幸せな人生だったといいます。唯一の番狂わせは妻が70歳で自分よりも先にガンで亡くなってしまったことでした。妻があとになるとしか思っていなかったため、その後をどうするかは考えてもいなかったのでした。しかし、息子二人と一番下の娘の3人に託す前に自分で用意できることはしておこうと思い立ったと言われました。
◆家が財産
Nさんの財産の大部分は自宅です。最寄り駅から徒歩10分の戸建てで、土地、建物の評価は約2000万円になります。預金は約1500万円ですので、相続税の申告は不要な財産です。
Nさんの心配は、同居して食事の用意などをしてくれて、これからも面倒を看てもらう娘が自分の亡くなったあとに住む家を売ることになっては困るということでした。
息子二人はそれぞれ自分たちでマンションを購入していますので、Nさんの家に住むと言い出すことはないとしても、娘の相続分が多いと不満を言い出すかもしれません。
◆遺言書で守る
そこでNさんに公正証書遺言を作成すれば家を娘に相続させることはでき、預金を3等分するとしておけば、ほぼ遺留分を侵害しない割合にできるとアドバイスしました。
Nさんは遺言書を作ることで自分も娘も安心できるとすぐに遺言書作りに取り掛かられました。
公正証書は偽造の恐れがないため、一番安心ですが、それでも自分の意思で遺言書を用意したことを全員に伝えておくことが望ましいとアドバイスしました。これもすぐに実行され、子どもたちを集めて、家は娘に相続させること、預金を等分に相続させることを伝えられました。
息子二人も、そうしてもらえて、自分たちも納得で、なんの不満もなく有難いという言葉が出たといいます。ふたりとも一人暮らしになった父親と同居してくれる妹に感謝しているということで、遺言書の内容にも異論はないということだったと言います。
Nさんはこのような家族会議が開けてわだかまりなく遺言書作りができて本当によかったと安堵されていました。夢相続は公正証書の証人業務を受けて遺言書作りをサポート致しました。
Nさんはまだ80歳になられたばかり。不安なくこれからの生活を続けられるようなサポートができ、ほっとしています。
相続実務士のアドバイス
●できる対策
同居する娘に家を相続させるために公正証書遺言を作成する
遺留分に抵触しないように配慮した内容にする
●注意ポイント
遺言書の内容を子どもたち全員に知らせておくことで、自分の意思で遺言書作りをしたことが明確になるのでこっそり作らないことが重要です。
最初のご相談は無料です。
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