事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
妹が母親のお金を使い込んでいた!今や絶縁。相続はどうすれば?
◆母親はひとり暮らし。資産管理ができなくなった
Yさんの母親は84歳。一人暮らしをしています。父親は15年前に亡くなり、母親の相続人は長女のYさんと3歳下の妹です。
Yさんと妹は、それぞれ同じ市内で別に住んでいます。二人とも離婚しており、子供たちと生活していると言います。
Yさんは実家から徒歩3分程度のところにある母親名義の土地に、自分名義の建物を建てて住んでいます。妹は賃貸マンションです。
母親は身体は元気なので日常生活は一人でなんとかできますが、この数年間で自分の資産管理などを一人でするには不安な状態になりました。
◆妹が土地を無断で売却した
3年ほど前、母親が自宅の他に所有している土地と建物を、Yさんには内緒で売却したことがあります。
母親が自分の意思で、目的があってのことであればいいのですが、これは母親の意思というよりは、妹が主導したことであると、後からわかりました。
しかも、売却した代金が振り込まれた母親名義の通帳を持ち帰っていました。
母親は会話はでき、サインもできる状態ですが、自分から進んで決断することはないので、妹に言われるまま売却したようです
◆通帳も全部、持ち帰っていた
そうした機会に母親の他の通帳も確認したところ、母親の手元には一切なく、他の銀行の通帳も全てを妹が持ち帰ってしまっていました。母親には、振込詐欺対策に預かると説明しており、納得させられたようです。
しかし、これを知ってYさんは非常に驚き、母親の家にあった印鑑はYさんが持ち帰るようにしたのです。
こうした妹の暴走が発覚してから、母親も妹に対して怒り心頭で、妹への信頼をなくしたのでした。
◆妹とは絶縁!円満な話し合いはできそうにない
Yさんは、現在妹とは絶縁状態。母親は、今はまだ一人で生活できていますが、それもあと何年もつかわかりません。
母親が亡くなってからだと、姉妹二人での遺産分割協議は感情的になりそうで、できそうにありません。
母親がまだ会話ができるうちに、ある程度分割の取り決めをしたいのですが、どのように進めたら良いか、アドバイスをしてもらいたいというのがYさんの相談内容でした。
妹が勝手に売却した土地の代金は1500万円。他預貯金が少なくともあと700万円程度はある見込みですが、母親の預金通帳は全て妹が持ち帰っており、預貯金の全容が確認できていないところがあります。
簡易保険1500万円は郵便局の養老保険で、払い済です。
母名義の不動産は、Yさんが自分名義の家を建てている土地と母親が住んでいる実家の土地建物があり、2カ所で3000万円。確認できた財産の合計は6700万円です。
◆できることはしておきたい-預金の確認と遺言書-
既に妹と絶縁状態だということであれば、母親には遺言書を作成してもらうことが必要です。
公正証書が望ましいところですから、母親の意思確認が取れるか否かの判断をする必要があります。自分でサインができ、遺言書の内容を話すことができれば遺言書は作ることができます。公証役場に出向けない場合は、自宅まで公証人と証人が出張して作成することができます。
遺言書の作成に当たって、確認しておきたいことは、妹がどれくらいの財産を預かっているかということです。あるいは贈与を受けた額があるかということで、通帳がなければ取引明細を再発行してもらい、入出金を確認しておくようにします。妹が預かっている金額がわかればそれを遺産分割金とするようにします。
また、不動産は妹と共有にするとトラブルのもとになりますので、Yさんが引き受けるようにするのが選択肢だと言えます。
以上の点を母親に用意してもらうことで、大きな不安要素は解消できます。
相続実務士より
財産をオープンにしない、隠しているなどが争いを誘発します。
できるだけオープンにして、情報を共有することで争いを防ぐようにしたいものです。
相続のご不安がある方はご相談ください。最初のご相談は無料です。
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