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相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

妻が亡くなり独身長男と2人暮らし。戸建てからシニアマンションへ。

■独身の息子と2人暮らしに

Kさん(70代男性)は、10年前に妻が亡くなり、自宅は50代独身の息子と2人暮らしとなりました。娘は結婚して孫にも恵まれ、家族4人で家を買って生活しています。

妻が元気なころは、Kさんも息子も仕事が忙しく家のことは妻に任せきりにしてきたと言います。昭和10年代生まれのKさん夫婦は、夫は外で仕事、妻は専業主婦で家を守るのが普通のことだったと言います。Kさんが定年になり、リタイアして時間ができたら、夫婦で旅行に行こうと話をしていたと言います。

ところが妻は脳梗塞で倒れてあっという間に亡くなってしまったのでした。

 

■広い自宅の維持が大変

Kさんの自宅の土地は110坪あり、半分が庭です。建物は50坪あり、5LDK。Kさんの両親、夫婦、子どもの6人で住んでいた時代に建て替えて、築40年は過ぎました。両親が亡くなり、長女が嫁いで、3人暮らしの時期が長かったのですが、妻が家も、庭も丁寧に掃除をしてくれていましたので、いつもきれいな自宅が保てていました。

ところが、妻が急逝してから、Kさん親子は日々、掃除をして維持してくれていた妻のありがたさを実感したといいます。

掃除でだけでなく、日々の食事の用意にも頭を悩ませているといいます。


■相続対策の1番目は自宅の住替え

Kさんが相談に来られたのは、これからの相続をどうしようかということでした。自宅の他に貸宅地もあり、預貯金も合わせると基礎控除4200万円は軽く超えて、1億円以上の財産になります。同居の特例を生かしてもまだ相続税がかかる範囲です。

最初にアドバイスしたのは、広い自宅を売却して、マンションに住み替えることです。土地が小さくなることで評価がうんと下がります。分譲マンションは購入する価格(時価)の30%程度の評価に変わります。

自宅の土地の評価は5000万円程ありますので、マンションに住み替えることらよって1500万円ほどの評価の不動産に変わるのです。

自宅の売却の査定額も出して、売却することをお勧めしました。

 

■シニアタウンへの住替えはどうか?

それから半年たち、Kさんから相談がありました。息子と相談して、いろいろなサービスが利用できるシニアタウンに住み替えようと思うがどうか、アドバイスしてもらいたいとのこと。分譲マンションで食事を作らなくても利用できるサービスがあり、掃除も依頼できるなど、楽に生活できそうだといいます。また分譲マンションですので、50代の息子と同居することも問題なしだと。

Kさんは70代で健康状態は問題なく、いまから介護施設や老人ホームに入る状況ではないため、シニアマンションという選択肢がぴったりだとお勧めしました。

Kさんもこれでいよいよ決断できるとなり、購入を決断、合わせて自宅の売却も決断されたのでした。

■シニアタウンとは?

シニアタウンとはアメリカのモデルケースを日本に導入されたもので、Continuing Care Retirement Communityといい、充実した生活を送ることで健康を維持する
アクティブシニアタウンです。「コミュニティ施設」を備えた「分譲マンション」が基本形です。

もう少し詳しく説明すると、高齢者が健康なうちに入居し、終身で過ごすことが可能な生活共同体をCCRC (Continuing Care Retirement Community)と言います。「アクティブシニアタウン」と言い換えることもできるこの集合住宅の考え方は、1970年代のアメリカで始まりました。
その最大の特徴は、入居者がすべてシニアであり、なおかつ元気で充実した生活をしていること。健康な食事、充実したアクティビティと、趣味仲間がいるコミュニティだからこそ可能な、理想的な共同体だとされています。

CCRCと老人ホームとの大きな違いは、入居時の状況です。一般的に老人ホームは健康に不安を抱えた時に入居する傾向がありますが、CCRCは健康には問題のない方々がセカンドライフを楽しむために入居します。
健康ではあるけれど、一人ではできないことを楽しみたい、栄養バランスのとれた食事や仲間との生活に刺激を受けて、この健康をもっと長く維持していきたい。そういった要望に応えることができるのが、CCRCです。
アメリカでは既に2,000を超える施設がほぼ各州にあるなど広く根付いた考え方であり、多くの人たちがCCRCでシニアライフを謳歌しています。

 

■戸建てからマンションに住み替えるメリットは?

70代の男性が妻を亡くし、独身の息子と二人で暮らしている状況で、ケア付きマンションに住み替える理由はいくつか考えられます。主な理由をあげてみましょう。

 

1.健康と介護のサポート
年齢とともに、健康や日常生活の維持が難しくなることが考えられます。ケア付きマンションでは、介護サービスや医療サポートが提供されるため、安心して生活を続けることができる点が大きな魅力です。特に、妻を亡くした後は、精神的・身体的にサポートが必要になる場合があります。

 

2.息子の負担軽減
独身の息子と二人暮らしだと、息子が父親の介護やサポートを担う負担が大きくなりがちです。ケア付きマンションに住むことで、息子の負担を軽減し、父親もプロのケアを受けられる環境に移行できます。

 

3.安心できる生活環境
高齢になると、家事や掃除、買い物などの日常的なタスクが難しくなることがあります。ケア付きマンションでは、これらの日常のサポートを受けられるため、安全かつ快適に生活を送ることができます。

 

4.孤立防止と社会的交流
高齢者が一人暮らしや少人数での生活を続けると、社会的なつながりが減少し、孤立しやすくなります。ケア付きマンションでは、他の住人やスタッフとの交流の機会があり、孤独感を軽減し、精神的な安定を保つことができます。

 

5.住環境のバリアフリー化
高齢になると、階段や段差などが事故やけがの原因になる可能性があります。ケア付きマンションはバリアフリー設計がされていることが多く、安全に生活を送ることができます。

 

■戸建て住宅よりもマンションの方が便利になる理由はいくつかあります。以下にその主な理由を挙げます

1.バリアフリー設計 

   高齢者にとって段差や階段の昇り降りは大きな負担になります。マンションはエレベーターが完備されていることが多く、フロア全体がバリアフリー設計になっているため、移動が安全で快適です。特に一戸建てでは階段が多いことが一般的ですが、マンションでは階段の利用を避けられる点が便利です。

 

2.メンテナンスの手間が少ない

   一戸建て住宅では、庭の手入れや建物の修繕、掃除などのメンテナンスが必要ですが、マンションでは共用部分の管理やメンテナンスは管理会社が行います。高齢になると体力や時間に限りがあるため、自分で手入れをする手間が減るのは大きな利点です。

 

3.セキュリティの高さ

   多くのマンションには、オートロックや監視カメラ、管理人の常駐といったセキュリティ対策が整っています。一人暮らしや夫婦のみの世帯にとって、防犯面での安心感が得られる点が重要です。一戸建てよりも侵入が難しく、セキュリティ面での安心が得られます。

 

4.利便性の高い立地 

   マンションは多くの場合、駅やスーパー、病院、公共施設などの近くに建てられており、生活に必要な施設へのアクセスが良好です。高齢者にとって、買い物や病院通いが負担にならない距離にあることは大きな利点です。一方、一戸建ては郊外に位置することが多く、車がないと不便な場合があります。

 

5.防災面の安心

   近年のマンションは耐震性に優れており、地震や台風などの自然災害に対する対策が強化されています。特に高層マンションでは浸水のリスクが低く、災害時の安全性が高い場合があります。さらに、避難ルートが確保されていることや、最新の防災設備が整っているマンションも多いです。

 

6.ゴミ出しの便利さ

   マンションでは多くの場合、24時間ゴミを出せる専用のゴミ捨て場が設置されています。高齢者にとって、特定の曜日や時間にゴミを出す必要がないことは非常に便利です。一戸建てではゴミ捨て場までの距離が遠かったり、決まった時間に出す必要があることが負担になることがあります。

 

7.生活支援サービス

   一部のマンションでは、高齢者向けに生活支援サービスが提供されていることがあります。これには、日常生活のサポートや、緊急時の対応が含まれており、万が一の時にすぐに対応してもらえる安心感があります。

 

■まとめ

Kさんはタイミングよくシニアタウンを購入することができ、住み替えをされました。土地の売却代金の半分程度の価格でマンションが購入できました。評価が下がり、相続税は4分の1程度になりました。日常生活で食事の準備や掃除など、労力がかかることがなくなり、快適な生活ができているといいます。

ずっと同じ形で住み続けるのではなく、状況に合わせて住替えていく時代になりました。

 

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