事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
実家は独身長男が独り住まい。姉妹は売って分けたいのに!
◆母親が亡くなって1年半
Yさん(50代・女性)が相談に来られました。母親が亡くなって1年半経つのに、まだ遺産分割ができていないというのです。
父親はYさんが幼いころに離婚。母親は働きながらYさんをはじめ、弟、妹の3人を育ててくれました。
幸い、祖父母の家に同居してきましたので、祖父から相続した30坪の自宅が母親の財産として残りました。Yさんと妹は結婚して実家を離れましたが、弟が独身のまま、ずっと母親と二人暮らしをしてきたのです。
◆一周忌が過ぎた
母親の一周忌も過ぎたころ、そろそろ財産の分け方を決めようときょうだいで話し合いをしたところ、弟が母親の預金はほとんど残っていないと言うのです。そういうことであれば、唯一の財産である家を売却して分けるしかないという話になり、おおむね、3人ともそうするしかないと合意をしています。
しかし、弟が「すぐには出られない」「売ったら住むところがなくなる」などと言い出して進まなくなり、どうしたらいいかと相談に来られました。
◆手付金で引っ越し、解体できる
土地の相続評価は2400万円、建物は90万円だと確認できましたので、基礎控除4800万円以下となり、相続税の申告は不要で、相続税もかかりません。
母親の財産には預金がほとんどないということであれば、自宅を売って分けることが妥当な選択肢と言えます。そのため、長男の住み替えが必須になりますので、住むところは探して移ってもらう必要があります。
一般的には、契約後、引き渡しまでの1、2か月の間に新しい住まいに引っ越しをするのですが、契約した手付金で引っ越しや建物の解体費用が賄えるような契約をします。
◆実務的には長男が取得して代償金
自宅を売る場合は、住んでいる人であれば居住用の特例で3000万円控除が使えるため、3000万円以内の価格で売却した場合は、譲渡税がかかりません。
特例のメリットを生かすには自宅は長男名義として、Yさんと妹には弟が代償金を払う内容の遺産分割協議書を作成して手続をします。そうすることで税金を減らして手取りを多くすることができるのです。
また、引っ越し費用は必要経費と考えて、弟の手出しがなく捻出できるような資金計画にすれば持ち出しがないので、弟の理解も得られやすいと言えます。
ご相談は夢相続へ
すでに母親が亡くなってから1年半が過ぎたということですので、なるべく早いうちに売却して分けることをおススメしました。
先延ばしをするだけ、気持ちのズレが不満となりうまくいかなくなります。弟に合理的な説明をして納得してもらいましょう。
最初のご相談は無料です。
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