事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
実家を残すなら協力するが売却はダメ?弁護士の登場でこじれた!
◆父親と弟の共有名義
Aさん(50代・男性)が相談に来られたのは15年前。実家の土地が父親と叔父の共有名義になっているので、どうすればいいかということでした。
祖父母と同居していたのは長男である父親のAさん家族でした。叔父は学生時代から家を離れて生活してきましたので、同居しており長男である、Aさんの父親が実家を相続するのは当然という暗黙の了解がありました。
けれども、祖父が亡くなった25年前、遺言書がなかったため、叔父が自分の権利を主張し、住んでいない実家の名義を相続すると言って引かなかったといいます。結果、敷地の40%は叔父の名義となったのです。
Aさんより久しぶりにご連絡があり、叔父さんとトラブルになっているのでアドバイスしてもらいたいということでした。
◆遺贈の公正証書遺言を作った
叔父は長男が実家を継ぐことについて異論はないことから、15年前に叔父の名義をAさんの父親、あるいはAさんに遺贈してもらうことに同意をしてくれました。方法論として費用をかけないようにと、叔父に公正証書遺言を作成してもらっていました。
実家の共有となっている叔父の名義は、叔父が亡くなったときに父親、あるいはAさんに無償で渡してもらうという内容です。当社がアドバイスして叔父に公正証書遺言を作ってもらいましたので、いずれ実家はAさんの所有になる予定でした。
◆実家は空き家になった
Aさんは仕事の事情もあり、両親とは同居せずに同じ県内に自宅を購入して妻子と住んでいます。両親は二人暮らしをし、父親、母親の順で亡くなってしまい、実家は今は空き家となっていました。
すると建築会社から建売住宅用地として購入したいという話が入ってきました。妻とも相談しましたが、実家に戻って住むことはないのが結論で、この機会に売却しようと決めました。空き家の管理が大変になってきましたし、母親の3回忌も過ぎたので、そろそろ考え時かと思ったのでした。
◆叔父に贈与してもらいたい
遺言で遺贈を受ける予定にしていたため、土地はAさんと叔父の共有名義です。売却するには叔父の協力が必要となり、Aさんは叔父に贈与をしてもらいたいと考えました。贈与税300万円はAさんが負担するので叔父に負担はありません。
最初はそれでいいと返事をもらっていたのに、いざ書類の手続きを進めようとしたときにAさん宛てに叔父から依頼されたという弁護士から書類が届きました。売却するなら持ち分の通りにもらいたいという内容でした。
◆一刻も早く、共有を解消するには?
叔父は快く協力すると言っていたのに、まったく話が変わり、Aさんは弁護士が報酬をもらいたいために叔父を炊きつけたとしか思えません。
叔父やいとこに連絡をとっても「弁護士に依頼した」と。弁護士に連絡しても電話がつながらず、話ができないため、Aさんのストレスはピークに。それで当社に相談しようと思ったようです。
Aさんにとっては共有の解消は一刻も早くしないといけないとアドバイスしましたが、無償で遺贈してもらう形はなくなったということでしょう。今、解決するには叔父に合意が得られる金額を決めて名義を買い取るか、一緒に売却するか、2つの方法のいずれかになります。売却するのであれば、一緒に売却をして分けることが妥当だとアドバイスしました。
◆弁護士には、弁護士で
弁護士が窓口ならばAさんも弁護士に依頼したほうが無難だとアドバイスをして、弁護士相談もしてもらいました。
業務提携先のU弁護士のアドバイスは「最初から紛争方向に持ち込むのではなく、まずは円満な解決が望まれること」で、もう一度、Aさんから叔父といとこに誠意を込めた手紙を書いては?ということだったと。まだ自分自身でできる事があることを発見したことはとても大きなことで、勇気を出して手紙を出してみると連絡がきました。
誠意を尽くせば解決への道が開けるはずで、Aさんからの報告待ちをしているところです。。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒一刻も早く、共有を解消するための具体策を取る。
●注意ポイント⇒弁護士に依頼しての解決では絶縁になる。最後まで誠意を尽くしてできる事をすれば後悔しない。
遺贈の遺言書は亡くなったときの効力。費用は少なくて済むが、亡くなるまでは信頼関係が必須となる。
最初のご相談は無料です。
TEL:03-5255-3388
お気軽にお問い合わせください
コラム執筆