事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
実家を相続するには兄二人に代償金!残すには負担が大きい
◆自宅の評価が高い
母親が亡くなり、相続の仕方に迷っているとKさん(60代・女性)が相談に来られました。Kさんの母親の財産は最寄駅から徒歩2分の自宅です。30坪とコンパクトですが、 不動産の評価は1億円にもなります。金融資産はほとんどありません。
両親は八百屋を営んできましたので、1階は店舗にしていましたが、父親が亡くなってからは継ぐ人はなく、お店を閉めたままにしています。
◆母親が亡くなった
Kさんには兄が2人いますが、2人とも家を離れて別のところに住んでいます。2人とも両親の商売は継ぎませんでした。
嫁いだKさんは幸い、実家から30分ほどのところに住んでいますので、一人暮らしになった母親をずっと面倒を看てきました。
そのため、実家に対する思い入れはきょうだいの中では人一倍強く、自分が実家を相続したいと思っているということです。
◆どう分ける
母親は遺言書を残さなかったため、3人で話し合って母親の財産の分け方を決めることになります。父親が亡くなったときは母親が全部を相続しました。今回は子ども3人で分けることになります。
兄2人は実家を売って3人で分けようという意見です。Kさんは思い入れもあり、なんとか残したいと思うのですが、3人で共有するには無理があります。土地を3等分する面積はないため、Kさんが思うには、兄2人に代償金を払って自分が実家を相続できないかということでした。
◆代償金が必要
兄2人は等分に分けることが希望です。立地が良い実家は建て替えると8階は建てられて貸店舗や賃貸マンションにすれば、賃料収入も期待できます。建築費は2億円程度必要だと想定されます。
その前に兄2人には代償金を6000万円ほど払わないと実家はKさんのものにはできないのです。合わせて2億6000万円の現金が必要だと言えます。
◆売却が妥当
Kさんの自己資金があればいいのですが、夫と離婚して息子と生活をしているKさんには6000万円をそろえるのは無理だということです。
代償金を分割払いにして家賃から払う方法も考えられますが、兄2人が納得してくれるとは限りません。
そうなると無理をして残すよりも、売却して3等分するほうが、無理がないとなります。Kさんにはそのようにアドバイスしました。
実家を残すことも大事ですが、無理をして抱えるよりも、売却することが選択肢だと言えます。Kさんもやはり、その選択肢が、無理がないことですねと気持ちの整理ができたようでした。
◆相続実務士のアドバイス
●できる対策
実家を売却して3等分する
●注意ポイント
実家を残すことは理想論ではありますが、財産を分けることができない難点があります。早めに金融資産を作るようにするなどの準備が必要でした。
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