事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
海外不動産はどうする?売却すると二重課税?
◆そろそろ相続対策
Kさん(40代・男性)の父親は80代となり、これからのことを考えておきたいと家族で話し合いをしたと言います。
現在は両親健在で、Kさんの上に姉が二人います。両親は長女と同居しており、次女とKさんは結婚して別のところに住んでいます。父親の財産は自宅の他に賃貸物件を2つ所有しています。
対策についてどのようにすればいいかと、ご両親とKさんから相談がありました。
父親の財産を確認すると、自宅5500万円、区分マンション1000万円、海外不動産8000万円、現金3000万円となり、相続税が2000万円近くかかる計算となります。
◆海外不動産はどうする?
海外不動産はかつて赴任していた関係で、家を購入し、日本に帰国後は賃貸してきました。既に15年くらいは経過していますが、購入時よりも倍以上も値上がりしています。
入居者が退去したあと1年くらいは空き家になっているため、この時期にどうするか考えたいと言います。
◆評価の仕方が違う
日本での不動産評価は、土地は路線価、建物は固定資産税評価になるため、時価の半分以下になるのが通常です。
自宅であれば、小規模宅地等の特例が使えて土地は20%評価にできます。賃貸物件にしておけば、土地は貸家建付地となり6割ほど、建物は固定資産税評価になるため3割ほどになり、土地建物を合わせると3割ほどの評価になり、貸付用の小規模宅地等の特例が使えますので、節税効果は大きいといえます。
しかし、海外不動産は日本のような評価ができないため、売ればいくらになるという「時価」評価となるため、節税効果はないのです。
◆売却すると二重課税?
海外不動産は日本でも、現地でも申告が必要になりますが、まず日本で譲渡税の申告、納税をし、その後、現地でも申告する必要があります。現地では既に納税が済んでいるため、それを踏まえて免税または課税の軽減ができるので、二重課税になることはありません。
◆相続税の節税をするには?
海外不動産をまた賃貸する方法もあり、賃貸事情は悪くないため、日本よりもいい利回りが見込めると想定されます。
しかし、これから貸すには改めてリフォームするなど費用がかかりますし、父親の年齢を考えると相続を視野に入れないといけません。節税をするのであれば、時価評価になる海外不動産は売却して、日本の不動産に買い替えたほうがよいというアドバイスをしました。
Kさんとご両親は、ポイントが明確になったので、家族で話し合って決めるようにすると対策が一歩進むように感じられました。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒海外不動産は処分して、日本で所有する。
●注意ポイント⇒海外不動産は時価評価になり、節税対策にはならない。
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