事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
父親の相続が終わらないのに、母親が亡くなった!
◆父親の相続
50代の女性Kさんが相談に来られました。父親の相続手続きに関してのご相談です。
父親は胆のう炎を患い、病院に入院して半年後に亡くなってしまいました。
父親は会社を経営しており、80歳になるまでずっと仕事をしており、休んだこともないほど元気でした。
ところが検査で病気が見つかり、入院すると一挙に体調が悪化して、家に帰りたいという希望はかないませんでした。
入院期間があったおかげで、父親も覚悟ができたようで、会社は兄が引き継ぎ、大きな問題はありませんでしたが、遺言書は作らないまま、亡くなってしまいました。
◆相続人は4人だったが・・・
両親はふたり暮らしをしていましたが、敷地の半分に父親の節税対策として賃貸マンションを建て、その1室に兄家族が住んでいますので、何かといえばすぐにサポートができる環境でした。
相続人は母親と父親の会社を継いだ兄、他県に嫁いだ姉と相談者Kさんの4人です。
父親には遺言書がありませんので、4人で遺産分割協議書を作らないといけません。ところが、父親が亡くなってから半年ほどして、そろそろ相続の手続きをしなくてはいけないという頃から、ひとり暮らしになった母親に認知症状が出始めたのです。
◆母親も亡くなった
父親の相続手続きをしないといけないという時になって、母親は自宅でのひとり暮らしが不安になり、慌ただしく介護施設を探して、入所することになりました。
仕事が忙しい兄や離れたところに住む姉は母親の面倒は見られないため、近くに住むKさんが毎日のように母親の家に行き、家事のサポートをしてきました。介護施設の入所にあたってもKさんがあちこちをあたって探し、入所の時も手伝ってきました。
やれやれと思った二か月後、母親は肺炎で急に亡くなってしまったのです。父親が亡くなってから8カ月後で、まだ、遺産分割協議もできていませんでした。
こうした状況で相続の手続きはどうすればいいかとKさんが相談に来られました。
◆相続は別々に手続き
父親の相続では、本来は母親の権利であり配偶者の特例適用で、財産の半分、あるいは1億6000万円まで相続税の納税は不要とする予定でした。
ところが、遺産分割協議をする前に母親が亡くなってしまったため、すぐに二次相続の申告も必要になります。遺産分割協議にて母親が財産を半分相続するという相続の仕方を選択できますが、二次相続での相続税を考慮すると、母親を飛ばして子供たちだけで相続をしたほうが相続税の負担が少ないこともあります。
父親の時の相続税と母親の時の相続税の両方を考慮したところで、兄、姉、Kさんの3人で相続の仕方を選択する事になりました。
母親にも預金や父親との共有の不動産があるため、Kさんごきょうだいの場合は、母親には父親の相続分を渡さずに3人で相続した方が負担が少ないことが分かりました。
ご両親か相次いで亡くなってしまったことでKさんごきょうだいは混乱したということですが、幸い、きょうだいの仲は悪くないため、相続税や登録免許税などの負担が少ない方を選択して手続きを進めていかれるようにアドバイスをしました。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒父親の相続の仕方で、二次相続の相続税の負担が変わるため、比較が必要。
二次相続の負担を減らすため母親に財産を寄せない選択肢もある。
●注意ポイント⇒母親にも財産がある場合、父親の財産を相続してしまうと二次相続の相続税が増えることになる。
母親の節税対策ができない場合は、母親に寄せずに子どもが相続する方が節税になるため、比較して選択する。
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