事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
独身の姉が戻ってくる?母親の相続では共有したくない!
◆自宅土地を3人で共有
Nさん(40代・女性)の母親は90歳。4階建ての自宅で、Nさん家族と同居しています。Nさんにはサラリーマンの夫と高校生の息子が1人です。
自宅の土地は母親が51%、姉が19%、Nさんが30%の割合で共有しています。4年前に父親が亡くなったとき、姉の希望もあり、全員で相続しました。
姉は海外に住んでいて、現在同居はしていませんが、独身で動きやすいこともあり、仕事をリタイヤしたあとは戻ってくるかもしれません。
◆建物の半分は夫名義
Nさん家族が同居するにあたり、10年前に実家の建物を建て替えています。
父親が健在なときで、4階建ての3・4階は自宅部分として父親が費用負担をし、1階と2階はNさんの夫がローンを借りて、5世帯のアパートとしました。フロアによって父親とNさんの夫の名義を登記しました。
この建物も父親が亡くなった時、土地と同様に姉が100分の11を登記しました。母親が100分の41、Nさんが100分の10、Nさんの夫が100分の38と複雑な登記になっています。
◆姉との同居も?
姉は海外で仕事をしており、母親が亡くなったときには父親のときと同様に権利を主張してくるはず。けれども厳しい姉との同居はストレスになりそうで、なんとかしたいのでどうすればいいかと、相談に来られたのです。
姉は日本を離れて久しいとはいえ、老後、戻ってくるかもしれません。名義があるので当然、住む権利はあるというものの、夫にも負担をかけるかもしれず、また1・2階のアパートは夫名義のため、姉には家賃が入りません。それに対し、不満が出ないともかぎりません。
◆共有解消を考える
姉妹でも別世帯ですから、所有割合が多いNさん夫婦が姉の権利を買い取って共有を解消したほうがよいというのがアドバイスの1つ目です。
さらに、将来の母親の相続では、母親の土地、建物の権利はNさんに相続させると遺言書で決めてもらうことが不可欠です。姉には遺留分相当の現金を相続してもらうことでトラブルを避けることが2つ目のアドバイスです。
◆名義を入れた本音は?
父親の相続で自分の権利を入れた姉の本音を聞いてみては?ということもアドバイスしました。将来実家に戻って住みたいといっても、Nさん家族との同居は互いに気を遣うところでしょう。これから長い人生、互いにストレスなく別の自宅に住むことのほうが現実的だと言えます。
母親は海外生活が長い長女よりも、普段から面倒を見ているNさんが困らないようにしてあげたいということです。姉の気持ちにも配慮しながら共有を解消し、母親に遺言書を書いてもらうことで争いが避けられるとわかり、Nさんは不安が解消できたので、母親、姉、夫と話をするということでした。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒姉の共有解消のため、持ち分を買い取る。
母親に遺言書を作成してもらい、不動産はNさんにしてもらう。
●注意ポイント⇒親子の二世帯住宅は問題ないのですが、
きょうだいの共有はトラブルになりかねないため、できるだけ避けたほうが無難
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