事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
狭く高低差がある実家は売れるか?
◆祖母が亡くなった
Tさん(40代・女性)の祖母(90代)が亡くなり、相続人である母親の代わりにTさんが相談にいらっしゃいました。
祖父が35年前に亡くなった後、祖母はひとり暮らしをしてきました。4人の子どもたち、長男(70代)、長女(70代・Tさんの母親)、次女(60代)、次男(60代)は就職や結婚で家を離れて独立しています。
祖母の老後は長女と次女のふたりが協力してサポートをしてきました。お陰で祖母は90代まで長生きしてこられたと言えます。
◆相続人それぞれの希望
長男は生前祖母より、現金の贈与を受けており、今回は放棄するという意向です。
次男は祖母の預金を管理しており、施設の入所の手続きや支払い、病院の入院手続や支払い、実家の光熱費などの支払いを担当していたことから、祖母の預貯金の残高50万円を相続したいという希望です。
実家は姉2人で相続すればいいのでは?と次男が提案してきました。
◆誰も実家を欲しがらない理由
実家は45㎡(13.6坪)とコンパクトで相続評価は900万円。平屋で3DKの家が建っています。築年数は40年以上。預金はほとんどありません。
不動産は長男にとか、男性が継ぐものというイメージあるのに、長男は相続放棄、次男は現金でよいと、ともに不動産はいらないということです。
◆建て替えができない
母親と妹の叔母のふたりで祖母の家を相続することになり、どのようにすればいいかとTさんが代わりに相談に来られたのです。土地の地形や権利関係を調べてみると長男、次男がいらないという理由がわかりました。
前面道路が私道で4m未満の為、建て替えるには道路のセットバックが必要です。さらに私道に入る途中に階段があり、車が入らないため、解体工事や新築工事も車を止めている場所まで、材料を人力で運ばないといけません。工事代が通常よりも割増しになります。
◆隣地に買ってもらう
建て替えするには面積が狭くなり、工事費も高いため、買い手がつかない可能性があります。それでも共有して持ち続けるメリットはありません。一番いいのは隣地所有者に買ってもらうことだと言えるほどの悪条件です。
Tさんは状況がよくわかったので、母親と叔母に話をしてどうするか決めるということで相談は終わりました。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒不動産は共有せずに売却して分ける。
建て替えよりも隣家に買ってもらう方が現実的。
●注意ポイント⇒空き家のままにしておくメリットはないため、早めに売却する。
最初のご相談は無料です。
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