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相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
相続人が放棄して財産を孫に渡したい!?次世代へ飛ばすためには遺言書!
■相続人は子ども2人
90代の祖母の相続対策のアドバイスをしてもらいたいとKさん(30代・)が相談に来られました。祖母の相続人はKさんの母親と叔母の2人。2人とも嫁いでいて、祖母は一人暮らしをしています。
Kさん家族は同じ市内に住んでいるので、母親とKさんや妹で毎日、祖母の家に通って食事の用意や身の回りの世話をしています。叔母は他県に嫁いだため、頻繁には来れず、Kさん家族が担当していると言います。
祖母が90代の後半、母親と叔母も70代となり、相続が気になって、Kさんが相談に来られました。
■祖父は農家の土地持ち資産家
10年前に亡くなった祖父は農家の長男で、建築会社に務めながら休日は田畑の維持のために農業も継続していました。農業は自家消費程度でしたが、農地として維持することで固定資産税は農地並みとなり、多少なりとも固定資産税の負担は軽減されてします。
農家住宅となる実家の土地は500坪あり、祖母のひとり暮らしでは広すぎる状況です。
他の財産は駐車場、アパート、貸し宅地があり、賃貸収入もありました。
祖父の相続のときは広い自宅と貸宅地は祖母が相続し、駐車場、アパートは母親と叔母が1つずつ相続しましたので、ほぼ法定割合となっています。
■二次相続の節税対策が必要
祖父の相続税の申告のコーディネートは夢相続で担当しています。自宅の土地評価を下げて負担を減らして、節税できました。それでも財産は約5億円。相続税は1億3000万円。配偶者の税額軽減により、祖母には納税はなかったことで、やれやれとひと段落されたようです。Kさんの母親は叔母には相続税が課税されましたが、それ以上の預金が残っていて、納税は無理なくできたのでした。
二次相続を考えるとまた5000万円程度の相続税となることが想定されましたので、祖母の節税対策をいくつかご提案していました。けれども祖母も、母親、叔母には危機感がなく、あっという間に5年が過ぎたのです。
■二次相続対策が進まなかった理由
祖母は元気で、自宅で生活できているとはいえ、90歳を過ぎていて、いつ、相続になるか
わかりません。母親と叔母は70代。2人とも専業主婦でしたので、財産にはこだわりがなく、それだけに祖母の二次相続についてもいくつか提案をしてきました。ところが、本人は90代に突入。祖父はアパートを建てたり、駐車場にしたりして、多少なりとも節税対策に取り組んできましたが、祖母は、祖父の財産を引き継いだままで、高齢になるとなおさら現状維持となりました。
祖母の代わりに母親と叔母が祖母の背中を押さないといけなかったのですが、2人とも専業主婦。財産のことには関心がないのが本音のようで、結果、何もしなかったといいます。
■孫が節税対策の窓口になる
先日来、祖母が体調を崩し、入院することになったといいます。医者からは高齢なので万が一のこともあるかもしれないと言われてしまい、母親と叔母が慌てて相続のことを考えないといけないが、自分たちではわからないのでKさんにやってもらいたいと話が合ったのです。叔母は結婚していますが子どもがいないため、孫はKさんと妹の2人です。
KさんはFPを持つ生保レディですので、数字には強く、相続の全体像も知識としてもっています。結婚して実家住まいで、祖母にも毎日のように会っていますし、子どもの頃から自分の家のように出入りしてきた祖父母の家には愛着があり、祖母や母親、叔母には安心してもらいたいという気持ちから、祖母の生前対策の窓口になろうと思ったと言います。
■子どもは飛ばして孫が相続?
祖母、母親、叔母、妹の5人で話し合いをしたところ、全員の総意で祖母の家はKさんに継いでもらいたいとなり、Kさんも自分が担当すると方向性の合意はできたのです。そして、母親も叔母も、祖父の時にアパートや駐車場や預金を相続しているので、これ以上、いらないのでKさんと妹で引き受けてもらっていいというのです。
そこで、Kさん家族は、祖母の相続人の長女(母親)、次女(叔母)は相続放棄をするので、Kさんと妹が祖母の相続人になって手続きを進めたいというのです。
■相続放棄すると、孫は相続人になれる?
相続人の子どもが相続放棄をした場合、次の世代となる、相続人の子である孫に相続の権利が回っていくように思いますが、ところが、相続放棄をした相続人の子どもには、相続権はないのです。
なぜなら、子どもが相続放棄をすると、次は直系尊属の祖父母へ相続権が移りますが、すでに他界されています。そうなると次は、祖母のきょうだいになります。祖母には弟がいて、すでに亡くなっているのですが、子どもが二人が代襲相続人となるため、祖母の相続権は母親たちのいとこに回るのです。
■相続放棄ではない方法が必要
仮にいとこにも相続放棄をしてもらうとすると、結果、祖母の法定相続人はいない結果となり、財産は国庫に帰属するとなるのです。
こうして相続人を確認していくと、スタートの相続放棄では、相続人の子どもたちには相続権が回っていかないため、別の方法を考える必要がありました。
そこで夢相続でご提案したのは、祖母に公正証書遺言を作成してもらい、孫やひ孫に財産を遺贈する方法です。遺言書は優先されますので、相続人である母親と叔母を飛ばして、孫であるKさんや妹、曾孫であるKさんと妹の子どもにも財産を先渡しすることができます。相続税は2割増しになりますが、母親の相続を飛ばすことで節税になります。
■公正証書遺言の必要書類
公正証書遺言を作成する際に必要な書類は、次のとおりです。公証役場での手続きには、事前に確認と準備が必要ですので、具体的な要件については管轄の公証役場に問い合わせると確実です。
公正証書遺言作成の必要書類
1.本人確認書類
遺言者の本人確認のための書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
2.遺言者の印鑑登録証明書
遺言者の印鑑登録証明書(通常、発行後3ヶ月以内のものが求められることが多い)
3.遺言の内容を裏付ける資料
財産目録(不動産の登記簿謄本、固定資産税評価証明書、預貯金通帳のコピー、証券口座の明細など)
遺言で処分する財産の内容と所在地を明確にするための資料
4.相続人や受遺者の情報
相続人や受遺者の氏名、住所、生年月日、続柄などの情報が分かる書類(戸籍謄本など)
5.証人の準備
公正証書遺言の作成には、通常2人の証人が必要です。証人となる人も本人確認書類が必要です。
公証人役場で証人を手配してもらうこともできます(手数料がかかります)。
注意点
証人の要件
証人には、未成年者や相続人、受遺者、その配偶者および直系血族などはなることができません。
手数料の準備
公正証書遺言を作成する際には、公証人の手数料がかかります。手数料の金額は遺言の内容や財産の総額によって異なります。
■孫、曾孫に遺贈する場合の必要書類
孫やひ孫に遺贈する場合は追加として下記の書類が必要になります。
1.受遺者(孫・曾孫)の戸籍謄本
受遺者である孫や曾孫の戸籍謄本。これにより、遺言者との親族関係(血縁関係)を証明します。
2.受遺者の住民票の写し
受遺者の現住所を確認するための住民票の写し。
3.未成年者の場合の追加書類
孫や曾孫が未成年者である場合、親権者の同意書が必要になることがあります。
親権者(もしくは法定代理人)が証人として公正証書遺言に立ち会う場合、その本人確認書類も必要です。
4.遺留分に関する配慮
他の相続人(子供や配偶者など)の遺留分に配慮する必要があります。特に、孫や曾孫に多額の遺贈をする場合は、相続人の遺留分を侵害しないように遺言内容を慎重に検討する必要があります。
■まとめ
Kさんは相談に来られたことで、相続人が相続放棄をすれば孫に相続権が回ってくるということが家族の思い込みだったことに気が付けてよかった、すぐに祖母と相談して公正証書遺言を作成してもらい、自分と妹だけでなく、自分の子どもや夫にも分けて遺贈してもらう案にしてもらうと言って帰られました。
夢相続では公正証書遺言の証人業務を受けていますので、担当するべく委託を頂いてサポートすることになりました。
最初のご相談は無料です。
TEL:0120-333-834
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