事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
相続対策は建て替え+資産組替。元気な70代にしておかないと!
■70代になってそろそろ自分たちの相続
Fさんご夫婦はともに70代半ば。親から相続した家に息子と3人で暮らしています。30代後半の息子はまだ独身で、大学も、職場も、家から通えるところを選んで決めてきましたので、実家暮らしを続けているというところだといいます。
3つ上の長女は40代。結婚して共働きを続けているので、通いやすいところのアパートを借りているということです。
■両親と同居して相続に備える
今回、Fさんご夫婦が来られたのは、自分たちの相続をどうしようかということでした。Fさんのご両親の相続のときに夢相続でサポートさせて頂きましたが、父親が遺言書を作ってくれていました。
Fさんは長男ですが、仕事の関係があり、結婚当初は、親とは別のところで家を買って家族4人で生活をしていました。けれどもFさんの妹2人も嫁いで家を離れて、両親が2人暮らしになってからは、老後のことや相続のことを考えて、家を建て増しして同居するようにしたのです。同居することで父親の相続の時には小規模宅地等の特例が適用でき、相続税はかからなかったのでした。
■相続対策をしておきたい
Fさん夫婦も70代を迎えていよいよ自分たちの対策をしておかないといけないと思い、これからどういう対策をすればいいかと相談にこられたのでした。
財産の評価をしてみると100坪の自宅の土地評価が8000万円、金融資産等も合わせると1億3000万円の資産。妻は元の自宅を2分の1所有しており、親から相続した金融資産も合わせると7000万円。2人で2億円の財産になることがわかりました。相続税は二人合わせると1400万円程になります。
■課題と提案
Fさんご夫婦の主な課題は次のとおりです。
1.夫婦ともに基礎控除を超える財産があり、相続税がかかる
2.配偶者の税額軽減を使って相続するメリットが少ない
3.2つの不動産に差があり、子どもたちに相続させるバランスが悪い
こうした課題が見えていますので、相続プランを作成して具体的に対策を提案することをお勧めしましたところ、お願いしますということで、委託を頂きました。
■課題解決のための提案
この課題を解決するための提案は下記のとおりです。
【1】自宅の土地が大きくひとりで相続するにはバランスが悪いため、分けやすくしておく。
1.売却して自宅と賃貸不動産に買い替える 2.土地活用して2棟の建物を建てる
【2】貸家は築年数が経っているため、売却して、築浅の賃貸物件に買い替える。
【3】対策後に分割案を決めて、遺言書も作成する。
■親から相続した自宅の土地103坪。
Fさんが住んでいるご自宅の土地は親から相続したもので、土地は103坪あります。両親が健在の頃に建て増しをして同居してきましたので、相続では同居の特例により、相続税はかからなかったのでした。
Fさんの妻がイングリッシュガーデンが好きで、土地の4割は庭ですので、日々の水やりなどを楽しみに庭を維持しています。
近隣は閑静な住宅街で、両隣の区画も同じくらいの広さの土地ですが、少しずつ建て替えが進み、右隣はアパートになり、左隣は2棟に建て替えられています。
Fさんの家も築年数は40年以上となっていますので、そろそろ次の計画をしないといけない状況にあります。
■分け方をどうする?
それに合わせて相続を考える年代になってきました。たとえば同居する長男に自宅を相続させると土地建物で8500万円程。2億円を等分にして2人に相続させるとなると自宅が85%になります。
住んでいる人が相続することは無理のない流れではありますが、長女もアパート住まいですから、自分も相続したいと思わなくもありません。
このままでは分けにくいことが明白です。姉弟の共有で相続させるとすると、さらに分けにくくなるため、得策ではありません。
■自宅土地の地形が縦長
自宅の土地は103坪もあるので、1戸建ての敷地とすると3区画に分けられるほどの面積があります。横長の地形であれば、2区画や3区画に分けやすいのですが、Fさんの土地は間口が14m、奥行きが24mという縦長です。そのため、縦割りにする場合は細長い土地が2区画できるとなります。
建物を建て替えるときに、現在のように1棟にしてしまうと分けくくなります。
■資産組替のお勧め
1つ目の提案として、賃貸している貸家は築年数が経っていることなどから、売却して維持しやすい区分マンションに買い替えることを提案しました。この提案については、ご夫婦ともに納得されてそのようにしたいと方針はすぐに決まりました。
次にご自宅の件。自宅の土地が広く、分けにくいため、自宅を売って、別のところに買い替える資産組替を提案しました。
自宅は住替えるため、その土地を離れますが、将来、2人の子どもに1つずつの不動産を渡せるよう、2つに分けて購入することを提案しました。
ご自宅の資産組替については、親から相続して、長年住み慣れた土地なので離れがたいこと、妻の楽しみの庭も少し残していきたいということでした。
■自宅の土地活用
ご夫婦のご希望は、自宅の土地は残していきたいということがわかりましたので、そのためには、自宅を建て替えて、家賃収入も得られる賃貸併用の住宅に建て替えることを提案することにしました。
現状のように自宅を建て替えるだけであればシンプルですが、103坪の土地を2人の子どもに分けられるよう、2棟に分けて建てることを想定して、提案するようにします。
金融資産もお持ちではありますが、これから20年以上の生活を考えると賃貸事業の収支計画をもとに、建築費は融資を受けることを想定します。
土地を縦割りにするのがいいか、手前と奥となる敷地延長の区画にするのかを健闘し、住みやすい建物が建てられることなどをもとに比較できるようにします。
現在、建築のプランニングをしており、出来上がれば再度、提案して、選択してもらうようになります。
■分割が決まれば遺言書の作成
建て替えの方向性がきまれば、土地を分筆し、子どもたちそれぞれに渡せるようになりますので、対策ができたあとは公正証書遺言の作成が必要なこともご提案しています。夢相続で公正証書遺言の証人業務を受けていますので、もめない遺言書作りをサポートしていきます。
Fさんご夫婦も、遺言書があって親の相続のときには非常にスムーズに手続きができたので、自分たちもそのようにしておきたいと言っておられます。
■相続対策は70代で
Fさんご夫婦は70代半ば。相続はまだ先のことというのが現実ですが、「相続対策」を考えると、元気な70代が最適な年代だと言えます。
たとえば、自宅を建て替えるにしても、荷物の整理、処分が必要ですし、建築中は
仮住まいが必要になります。年代があがると片付け自体が大変になり、何もできない状態になります。
Fさんご夫婦もそうした諸々のことを考えると、もう、いまだという思いだと言っておられます。まずは貸家の売却、次に自宅の建て替えという順番で少しずつ取り組んで頂くよう、サポートしていきます。
最初のご相談は無料です。
TEL:0120-333-834
お気軽にお問い合わせください
コラム執筆