事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
<相続後>分割・納税【前田さん(男性:50代)からのご相談】
相続税の節税ができました
代々地主の賃貸業。かなりの相続税が予想されるが現金がほとんど無い…。
前田さんの父親は30年近く不動産賃貸業を営んできました。貸家、貸店舗、賃貸アパート・マンション、駐車場と、自宅を除くほとんどの土地を賃貸しています。父親は妻に先立たれて一人暮らしでしたが、ここ数年体調を崩し、4、5年の入院生活を経て病院で亡くなりました。建物に対する借入金があるので、ある程度の相続対策は出来ていましたが、それでもまだかなりの相続税がかかることが予想されました。生前贈与や医療費で現金はほとんど無い状態で、相続税の捻出が大きな課題でした。
財産とご家族の状況
- [相談者]:前田さん(男性:50代)・職業 不動産賃貸業
家系図
- [被相続人] :父
- [相続人] :長男(相談者:50代)、次男(50代)
- [財産の内容] 自宅不動産、賃貸アパート・マンション、貸家、駐車場、預貯金、生命保険
提案と解決!土地の評価で相続税を大幅に安くできる
遺言は残されていませんでしたが、兄弟の関係は良好なので遺産分割協議の話し合いはスムーズに進みました。
資産のほとんどは不動産でしたので、相続税節税のためには、さまざまな土地をどのように評価するかがポイントでした。
広大地評価、鑑定評価の使い分け
16軒の貸家が建つ土地は1筆400坪の大きな土地でしたが、貸家個々の区画を詳細に測量し、区画ごとに評価すると減額に つながります。私道部分は宅地の30%評価になります。このように細かく評価することで、約40%の評価減となりました。
貸家は利用形態に合わせて個別評価する
500平米以上の空き地と駐車場の2つについては、宅地として広大地評価を採用しました。周囲の開発状況を確認し、道路負担まで考慮した宅地区割り図を作成しました。
一方、公道に1.8mしか接道していない旗地の自宅は宅地分譲開発ができない上、300坪と売りづらかったのですが、広大地評価でも高すぎるため、鑑定評価をし、広大地評価の約半分に減額できました。
納税のために処分する財産と、残す財産の色分け
500平米以上の空き地と駐車場の2つについては、宅地として広大地評価を採用しました。周囲の開発状況を確認し、道路負担まで考慮した宅地区割り図を作成しました。
一方、公道に1.8mしか接道していない旗地の自宅は宅地分譲開発ができない上、300坪と売りづらかったのですが、広大地評価でも高すぎるため、鑑定評価をし、広大地評価の約半分に減額できました。
相続コーディネーターから
代々地主の前田さんの場合、さまざまな土地をお持ちで、一工夫、ふた工夫しないと路線価を単純に面積にかけただけではかなりの相続税が発生してしまいます。そのため不動産知識を駆使して適した評価手法を土地ごとに採用しました。また、資産価値の低いものから売却して財産を残すようにしましたが、節税感覚の無い税理士では「売りやすい物件」から売却しがちですので、注意が必要です。