事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
自宅200坪に母親が1人暮し。維持費250万円。財産と言えず!
◆家族構成 父親(故人15年前)
母親・80代・1人暮し
長女60代・夫、子供2人 他県で生活・・・相談者
次女50代・独身・母親の敷地(隣地)に自宅を建てて1人暮し
◆相談 母親が賃貸事業を改善したい
母親の賃貸事業がうまくいかないので、テコ入れしたいと、
長女のKさんと夫が相談に来られました。
亡くなった父親はもと農家の長男で、親から多くの土地を相続しました。
その後、 相続対策として、億単位の借入をして、2棟の賃貸マンションを建設しました。
他にも法人に貸している土地があり、賃貸収入で生活ができています。
ところが、築年数が進み、サブリースの賃料が下げられ、リフォーム代がかかり、
賃貸マンションの収支はマイナスになっています。
このままでは不安があるため、対策をしておきたいというのが相談内容です。
◆課題 賃貸マンションも自宅もマイナス
2棟の賃貸マンションはまだ億単位の借入が残っており返済はできても、
固定資産税 や修繕費、管理費などの経費を引くと、残らないどころか、マイナスの収支です。
法人への貸宅地は返済がないため、これでなんとか補てんができている状態です。
自宅は土地が200坪もありますが、そこに母親が1人暮し。
固定資産税だけでなく、 築40年のため、昨年は屋根などに修繕費がかかり、
広い庭の手入れも必須で 維持費に年間250万円かかりました。
今後もこうした費用はかかり続けるのですが、自宅は収益がなく、
長女も次女も家なき子ではないため、特例も使えません。
法人への貸宅地は返済がないため、
これで賃貸マンションと自宅にかかる費用の 持ち出しをカバーして、
生活費を捻出している状態だと言います。
◆アドバイス1 自宅
広い敷地に1人暮しは効率がよくないため、
売却してバリアフリーでコンパクトな マンションに住み替えが現実的。
あるいは、隣地の次女の家に同居も選択肢。
◆アドバイス2 賃貸マンション
維持する場合は、賃料アップが必須のため、
サブリース契約を解消して、普通管理で 賃料の差額を確保する。
ただし、賃料アップができたとしていも築年数が経過していくため、
満室維持が 難しく、修繕費の支出も増えていくため、古くならないうちに売却し、
新しいものに 買い換えすることが優先順位が高い。
◆Kさんご夫婦の反応 判断材料がほしい
家族の判断材料が必要なので、相続プランを作ってもらいたいと委託をされました。
現地調査をし、確定申告などの資料をもとに提案書を作成します。
相続コーディネート実務士から
資産家は、どなたも、ずっと同じ形で財産を持ち続けようというお気持ちです。
自宅200坪はすばらしい財産に見えても、
年間250万円の持ち出しでは財産とは言えない状況。
そのままでは子供たちも有り難くはないかもしれません。
時代に合わせて維持できるような形に変えて、
負担なく持ち続けられることが財産となりますので、決断が必要でしょう。