事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
夫婦に子供なし。親から相続した家は夫には渡せない!
◆母親が亡くなった
50代の女性Оさんが相談に来られました。母親が亡くなり、姉と妹の3人で相続の手続きを終えたばかりだといいます。
母親には遺言書がありませんでしたので、3人で話し合いをして財産の分け方を決めました。父親は10年前に亡くなっています。
母親の財産は約1000万円の自宅と預金3000万円、生命保険が500万円で、基礎控除の4800万円以内ということで、相続税の申告は不要でした。
◆同居していた家を相続
姉妹で話し合った結果、母親の家については同居していたОさんが相続したといいます。
家は3階建てで、1階は駐車場として3台止められるようになっていて自宅用に1台、2台は近隣に貸していますので、駐車料金が収入として入り、母親の生活費となっていました。
2階が母親の家で、3階にОさん夫婦が住んで母親の面倒を見ていました。
金融資産はほぼ3等分とし、生命保険は家を相続しない姉と妹で分けることで円満に話し合いはつきました。
◆夫婦に子供がいない
Оさんの不安はこれからのことだと言います。Оさん夫婦は子どもに恵まれませんでしたので、Оさんの相続人は夫と姉妹あるいは甥姪になります。
姉には2人、妹には3人の子どもがいるので、老後は甥姪に頼ることになりそうです。
問題はОさんの姉妹ではなく、夫のほうです。夫はОさんとは再婚で、先妻との間に息子が一人いるのです。夫の相続人は配偶者と実子となり、先妻の子どもが登場するのです。
◆家は夫には渡せない!
仮にОさんが夫よりも先に亡くなってしまった場合、配偶者の権利は4分の3ありますので、家に住み続けるためには家を自分の名義にしたいという気持ちになるでしょう。
しかし、夫名義にした場合、Оさんが先に亡くなった場合の夫の相続人は先妻の子ども1人となるため、Оさんから相続した夫名義の家は先妻の子どもが相続人となり、Оさんの姉妹の権利は一切なくなるのです。 それは避けたいので方法があるか?というのがОさんの相談の内容でした。
◆遺言書が必須、配偶者居住権が使える
Оさんの意思を実現するためには遺言書を作成し、夫には「配偶者居住権」を相続させるとし、所有権は姉妹か甥姪とすることが必要です。
「配偶者居住権」としておけば夫はずっと家に住み続けることができるため、Оさんの姉妹ともめごとになることはないと言えます。
そうした方法があると知ってОさんは安心されました。まずは姉と妹に相談し、夫にも了解をもらって遺言書を作りたいということでほっとされたようです。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒夫に「配偶者居住権」を相続させるという遺言書を作成しておく。
所有権は家を相続させたい姉、妹、甥、姪の中から決めて遺言書で指定しておく。
●注意ポイント⇒夫に先妻の子どもがいるため、夫の財産について相続の権利がある。
Оさんが先に亡くなった場合を想定して遺言書を作っておくようにする。
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