事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
親に払う家賃よりも相続税が安い!効果なしで最良ではない
◆父親名義の家に住んでいる
Kさん(40代・女性)は父親(80代)が建ててくれた家に家族で住んでいます。実家は両親と弟家族が住んでいて、いずれ弟が相続する約束です。きょうだいは2人です。
両親は父親の仕事の関係で、現在の家に引っ越して20年以上になります。現在Kさん家族が住んでいる家はその前の家で、父親が祖父から相続したものでした。
Kさんもその家で生まれ育っていますので、馴染みのある地域です。
◆税理士のススメで親に家賃を
結婚して実家を離れたKさんですが、両親たちが引っ越して家が空いていたこともあり、子供が学校に入るタイミングで元の実家に引っ越しをしました。父親が古い家を壊し、Kさん家族が住むための家を建ててくれたのです。
父親の税理士に勧められ、相続のときには貸家として評価したほうが有利なので、Kさんが父親に家賃を払う方が良いと言われて、毎月12万円を父親に払っています。そのまま10年が経ちました。
父親が80歳になり、相続のことも気になると、Kさんが相談に来られました。
◆土地の評価はKさんの家が高い
父親の財産は2ヵ所の不動産と金融資産などで、試算すると相続税が3000万円近くかかります。
しかし、小規模宅地等の特例や配偶者の特例を利用すると納税はしなくてもよいことになります。
現在の父親の自宅の面積は、Kさんの住む土地の倍の広さがありますが、評価額ではKさんの住む土地の3分の2ほど。Kさんの住む家を賃貸住宅とすれば、貸付用の小規模宅地等の特例が使えますが、200㎡まで50%減。父親の家は330㎡まで80%減となり、どちらも同じ程度の減額となります。
◆相続税のほうが安い!
仮にKさんが家賃を払わずに住む使用貸借とした場合、父親の自宅の小規模宅地等の特例を適用することになりますが、相続税は1500万円。Kさんが相続するのはそのうち約60%ですので、相続税は900万円となります。
ところが家賃はすでに10年で1440万円も払っていて、父親は所得税を払っていますので、目減りしていることになります。父親はまだ元気なので、仮にこれから10年家賃を払い続けると2880万円を父親に払い、所得税も払い続けるのです。
そうなると家賃を払って小規模宅地等の特例を受けるよりも、相続税を納税する方がはるかに安いことになります。
◆税理士のオススメは最良ではない
これでは相続対策の意味はないとなりますので、いまからでも相続対策の方針を見直して、切り替えたほうがいいとアドバイスしました。
税理士のおススメはKさんの場合は最良ではないと言えます。
ご相談は夢相続へ
●できる対策⇒父親の相続対策のプランを練り直す。
父親に家賃を払う効果よりも相続税のほうが得策。
遺言書で住んでいる家を相続できるように指定してもらう。
●注意ポイント⇒父親の金融資産を確認して現在の財産についてのプランをする。
確定申告でどれくらいの所得税を払っているかも判断材料とする。
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