事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
賃貸事業に法人化は必要?子供はまだ10代。
◆自営+賃貸事業
Kさんは50代。妻(50代)と娘(10代)が一人います。音楽関係の仕事をしており、15年ほど前に独立して会社経営をしてきました。
合わせて数年前から不動産の賃貸事業も始めています。取引銀行の担当者から、不動産を購入するなら融資をすると勧められて5物件を所有して、運営しています。
ほどなく60歳になるため、これからどうすればいいかのご相談がありました。
◆借入金2億円、相続税はかからない
Kさんの財産を評価すると約2億円で、ほぼ同額の借入金があるため、相続税はかかりません。相続税の節税はできていると言えますが、将来の課題は見えてきます。
借入金の返済期間はまだ20年以上あるため、このままでは娘が相続することになりますが、まだ、学生のため、相続や賃貸事業への意識は皆無。妻は専業主婦ですから、娘と同様で、関心がないと言います。
現在は家賃収入から借入返済ができているため、問題はないように思えますが、これから修繕費もかかり、賃貸状況も変わるかもしれません。借入が多いのは不安要素と言えます。
◆賃貸事業の法人化は必要?
Kさんからの質問の1つに「賃貸事業を法人化したほうがいいか?」ということがありました。現在は個人所有の不動産ですので、個人事業としているといいます。
法人化のメリットは配偶者や子供に役員報酬を渡して所得を分散することで、判断の目安となる家賃収入は年間1000万円以上とされています。Kさんの家賃収入は800万円ほどで、子どもは未成年ということから、法人化するメリットは少ないとアドバイスしました。
◆これからは不動産の整理
相続する側を考えるとなるべく借り入れは少ない方が良いと言えます。
不動産が古くなってくれば尚更で、更に遠い物件も所有されていますので、これからKさんが取り組まないといけないことは不動産の入れ替えだとアドバイスしました。
できれば借り入れのあるものから売却し、借り入れは返済、残りで買えるものを近くで買う。このような対策をすることで次世代も相続しやすくなります。
◆賃貸事業は正解!
Kさんの本業はコロナの影響もあり、業績が落ち込んだといいますが、賃貸収入があったのでなんとか維持できていると言います。借入はあるが、始めておいて良かったと言われていました。
相続対策でも、日常の生活でも不動産から家賃収入が得られることはメリットが大きいと言えます。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒遠くの不動産はできるだけ近くに買い替える。
借り入れのある不動産を売却、返済して、残りで別の不動産を購入する。
●注意ポイント⇒家賃収入が1000万円以下の場合は、法人で賃貸事業をするメリットは少ない。
決算や保険など手続きが煩雑になることもあるため、個人事業のままでよいこともある。
最初のご相談は無料です。
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