事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
遺言書で家は亡夫の家系へ。現金は自分のために使い切る!
◇夫は先に他界。子供がいない。
Kさん(70代・女性)は10年前に夫を亡くして、いまは1人暮しをしています。
夫には先妻の子供が2人いますが、初婚のKさんとの間には子供に恵まれませんでした。
Kさんと夫が結婚した時期には2人とも独立していましたので、
Kさんと2人の子供は養子縁組をしていません。
よって、配偶者亡き後のKさんの相続人は亡実姉の子供たちとなります。
◇自宅は亡夫から相続した
Kさんは夫から自宅を相続して、いまもずっと1人で住み続けてしています。
夫が亡くなった時、遺言書はありませんでしたので、
先妻の子供たちと分割協議をしましたが、すんなりいかず、いやな思いを経験しました。
実の親子ではないので、どうも割り切れない思いが残ったといいます。
Kさんは遺言書を書いてもらえばよかったと後悔したのですが、
病床の夫に遺言書を書いてほしいと切り出すことができなかったのでした。
◇夫の家系に戻すための遺言書
夫の希望は、家は自分の子供に残してあげたいということでした。
そうした意思は聞いていたものの、60代で自分の住む家を
先妻の子供名義にするのは現実的ではありませんでした。
子供たちもそれは承知でしたので、とりあえずはKさん名義にしたのです。
そして、70代になられた今、夫の子どもたちとも相談をして
家を遺贈すると公正証書遺言を作られました。
年金と預金で生活できる見通しが立ちそうなので、
このまま家は残せると思えたので、遺言書を作ることにしたそうです。
◇お金は自分に使って残さない
Kさんはずっと家に住み続けたいが、自分のきょうだいや先妻の子どもたちに
老後の面倒をみてもらうつもりはないといいます。
自分が動きにくくなったときには、自分のお金と年金、保険を使うつもりです。
自分のために使って残すつもりはないと思っていると気が楽だと言われました。
人生100歳までの時代。財産は残すというよりも、
自分や家族のために活用して、残さないとという選択肢もあります。
相続コーディネート実務士から
財産は「残す」よりも「活用する」時代になりました。
自分のため、家族のためにいま、活用することが大切です。