事例

相続実務士が対応した実例をご紹介!

相続実務士実例Report

金融資産が増えた。次は不動産対策しかない

◆親からの相続

Sさん(60代・女性)の父親は貿易関係の会社を創業して、大成功されました。父親が亡くなったのは15年前で、会社の事業と実家は弟が相続、Sさんは自宅を建てていた父親名義の土地と有価証券を相続しました。

母親は父親の相続前に亡くなっていて、配偶者の税額軽減を受けられずに、Sさんが1億円、弟は2億円ほどの相続税を納付されたのです。父親の財産が相当あり、当然、残してもらった金融資産の一部で納税はできたのですが、残念な思いをしたということです。

 

◆10年前にも相談

Sさんはお父さんの相続が終わってひと段落したころ、10年以上前に相談に来られています。Sさんの相続人は夫と2人の子供ですが、夫も自分の会社を経営して資産を保有されていることから、ご夫婦ともに相続対策をしていきましょうというご提案をしています。けれども、そのときはまだ50代ということもあり、決断されなかったのです。それからあっという間に年月が過ぎ、60代後半となり、70歳が身近に感じる年代となったことから、再度、相談に来られたのです。

 

◆金融資産が増えた

Sさんは父親から相続した上場株を保有しながら、利率の良い投資をすることで金融資産が少しずつ増えてきたと言います。コロナ禍でもかなり値上がりしてきていましたのが、先行きの不安もあり、株はいったん売却しましたので、値下がりの影響は受けずに保有できていると言います。

父親から相続したときに納税した相続税分を上回り、金融資産が当時の倍以上になったのです。嬉しいことながら、これでは、また相続税が大変になるため、いよいよ節税対策をしたいというのがSさんの相談内容でした。

 

◆セミナーにも参加

Sさんはセミナーにも参加されて「 わかりやすい説明で、とても役に立ちました。」 と言って頂き、合わせて著書「変わる相続」も読んで頂き、「次は不動産対策をしたい」と言われています。Sさんは、ご主人の会社の経理も担当するなど日々忙しくされているので、手間がかからず安定した不動産を探したいとのこと。夢相続で物件をご紹介することになりました。

金融資産のままでは節税にならないため、せっかく増えた金融資産が相続税のために減ってしまいます。それを避けるために賃貸不動産にすることで評価を下げながら家賃を受け取れる賃貸事業が節税対策となります。賃貸事業は節税目的ではなく、資産の持ち方の選択肢ですから、節税目的だけではありません。税務署に否認されないためにもなるべく早く賃貸事業を始めておくことも必要になります。

◆相続実務士のアドバイス

●できる対策

金融資産のままではなく不動産に変えて賃貸する

賃貸事業はなるべく早く始めておく

 

●注意ポイント

節税目的だけの借り入れ、不動産購入は否認されるリスクあり。

資産保有の選択肢として現金で不動産を購入して賃貸事業をしておくことであれば税逃れと指摘はされません。

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