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長男が有利な相続は納得しがたい。いまからできることは?

長男が有利な相続は納得しがたい。いまからできることは?

 

◆父親の相続

90代の母親の相続について相談したいと長女のTさん(70代)が相談に来られました。
父親は10年前に亡くなり、二人の弟(60代)とともに、遺言書によってきょうだいそれぞれが資産を相続しました。

遺言書には自宅とアパートは母親に、会社と別のアパートは長男に、Tさんと次男は預金をという内容でした。父親の意思を生かしてそのまま相続したといいます。
父親が創業した会社は衣料品の販売をしており、長男と次男が手伝っていましたが、次男は独立し、父親の会社は長男が相続したのでした。

 

◆次男夫婦が同居して介護

母親は90代になりましたが、まだ自宅で生活できています。しかし年齢には逆らえず、認知症となってしまったため、次男家族が自宅に同居し、母親の面倒を見ています。
同居する家族は大変ですが、次男家族は文句も言わずに面倒を見てくれており、Tさんは感謝しています。
Tさんもたまに行っては母親の食事の世話などをするのですが、長男は介護を手伝うこともなく、次男やTさんに任せきり。これにはTさんは快く思っていませんでした。
母親の相続になったら、どうすればいいかと相談に来られたのです。

 

◆長男が一番多い

母親の財産は自宅の他に、アパートや土地があり、不動産だけで約3億円程度あります。
母親は認知症になる、10年くらい前に遺言書の下書きのためなのか、財産の渡し方を書いたメモを書いていました。
内容は「財産の3分の2を長男に、3分の1を次男に相続させる」としてあります。「長女のTさんには遺留分相当を渡す」とされていました。
これにはTさんは自分のこともさることながら、介護に貢献している次男が多いのならともかく、長男が次男の倍とされていることに納得がいきません。

 

◆金融資産や株はどうなっている?

Tさんが気になっているのは会社のこともあります。
父親が亡くなった時に母親は会社の株を相続したはずです。現在はどうなっているのか、役員報酬はあるのか、など知っておきたいと長男に聞いても「答える必要はない」という返事で埒があきません。

長男は、会社は自分が相続し、母親の財産についても自分が多く相続するのは当たり前だという考えのよう。Tさんにもそうしたことを言うばかりで、話にならないといいます。
しかし、会社でも母親の土地でアパート経営をしているようで、相当な家賃収入が入っているはずだとTさんは推測しています。
長男に会社の決算書を見せてもらって確認したいとТさんは言いますが、部外者となるTさんに見せる義務はありません。

 

◆確認しておくこと

これから母親の相続に備えて、Tさんがしておくことは次のことだとアドバイスしました。

  • 遺言書が正式なものなのか、存在しているのか確認
  • 母親の預金の確認
  • 固定資産税評価額の確認
  • 不動産の確認

  • できれば確認した内容を長男、次男とも情報共有しておくことが望ましいと言えます。
    遺言書があればそれに従い、遺留分が侵害されていれば請求し、遺言書がなければ遺産分割協議をすることになりますので、今から準備しておくことが必要でしょう。

     

     

     

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