事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
長男家族ばかり優遇?感情面の配慮でトラブルを避けよう!
◆4階建ての自宅に1人暮らし
Mさん(70代・女性)は、4階建ての自宅に1人暮らしをしています。子供は3人で、嫁いだ長女と独身の次女、孫がいる長男で、3人とも家を買うときに住宅取得資金として援助してきました。
自宅の1、2階は法人に賃貸しており、毎月入る家賃で生活できています。自宅は3、4階で3LDKあるので1人暮らしには広すぎ、長男家族と同居するには部屋数が足りません。
独身の次女はMさんと同居しておけばよかったものの、1人暮らしをしたいということで、自分でマンションを買い、借入した分はローンを払っています。
◆リフォームして長男家族が住みたい
Mさんは70代でまだ元気ですが、それでも3階まで階段で上がるのが少々大変になってきました。そして1人暮らしには広すぎることもあり、長男家族が住んでもいいと言ってきました。代わりにMさんが長男名義のマンションに住んだほうが生活しやすいのではということです。
長男家族が住むには内装のリフォームが必要となり、見積もりを取ると2000万円ほどかかるといいます。だれがリフォーム代を出すのが良いのか?と相談に来られました。
◆土地は長男名義
10年前、夫が亡くなった時に自宅の土地は長男名義になっています。建物はテナントの賃料を受け取るためにMさん名義にしたといいます。
いずれ建物も長男に相続させる気持ちでいますが、現在はMさん名義なので、Mさんが自分の費用で出すことが本来ですが、長男はリフォーム費用を出してもいいと言っています。どちらがいいでしょう?というのがMさんのご相談でした。
◆長男家族ばかり優遇?
Mさんがリフォーム費用を出す場合、預金が減ってしまうため、長女、次女の相続できる金融資産が少なくなります。
それを避けるには、長男からリフォーム費用を借りて、少しずつ返済と贈与で相殺していくか、相続までそのまま借りて債務を長男が相続するという方法が取れるので、自分の預金は使わないほうがいいとアドバイスしました。
リフォーム代をMさんが出すことがわかれば、自宅に住まない長女、次女は面白くないことになります。
Mさんが住む家に出すのであれば問題はないのですが、長男家族が住む家に出すことで、妬みや恨みの感情を引き出さないともかぎりません。
現に、次女から長男の嫁はいい立場だという不満が出ているといいます。そうした感情的なことも配慮した決断が必要だとアドバイスしました。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒自分のお金を減らさないよう、長男から借り入れをする。
借入金は返済、贈与で消し込むか、相続で相殺できる。
遺言書を作成してトラブルを避ける。
●注意ポイント⇒預金が減ることで長女、次女に不満が出ることが想定されるため、預金は減らさないほうがよい。
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