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102歳で公正証書遺言ができた!家族の合意と協力が大事。

■祖母は102歳 相続人も70代

Kさん(40代女性)が相談に来られました。父方の祖母は102歳となり、近いうちに相続が発生するため、家族で相談しているといいます。

相続人は父親と養子になっている母親の2人だけです。父親は一人息子のため、相続を考えて、母親が祖父母と養子縁組をしてきたようです。その両親も70代です。

祖母の財産は自宅、駐車場、預金、などで、約2億円あります。不動産が財産の4割、金融資産が6割です。

 

■すでに基礎控除を超える

祖母の相続人の父親と母親は、祖父が他界した8年前に駐車場や畑などの不動産と金融資産を相続しています。Kさんには妹がいますので、両親の相続人は1次相続で3人、二次相続で2人となります。基礎控除は4800万円、4200万円です。現在の父親の財産は1億円、母親は8000万円。どちらが先かはわかりませんが、すでに二人とも財産があり、祖母の財産が増えるとさらに相続税も多くなります。

 

■いまからできる生前対策

Kさんのご相談は、祖母が亡くなった時はどれくらいの相続税になるのか、ということと、生前にできることは何かということでした。

幸い、祖母はいまのところ、体調も安定していて、今日、あす、急に亡くなるようにことはないということでした。

Kさんの両親は自分たちはすでに財産を保有しているので、Kさんと妹に引き受けてもらいたいと言っているというお話でした。

そこでアドバイスしたのは、祖母に遺言書を作成してもらい、孫やひ孫に財産を遺贈してもらうことでした。そうすることによって相続税は2割増しになりますが、両親が引き受けるところの相続を飛ばして、次世代に財産を渡すことができるのです。

 

■家族で相談して

Kさんはアドバイスの内容を踏まえて、祖母や両親、妹の全員で家族会議を開いて、合意を得ることができたと報告がありました。そのうえで、祖母は孫やひ孫に財産を遺贈する遺言書を作るということも決めてくれたといいます。

夢相続では公正証書遺言の証人業務を担当しますので、段取りを始めました。不動産はKさんが代表で相続しますが、その先のことを考えるとKさんの夫と2人で不動産を所有したほうが心強いとなったといいます。

こうして公正証書遺言の原稿となる内容の確認ができましたので、公証役場に原稿を送付し、準備に入りました。祖母は印鑑証明書と戸籍謄本が必要です。Kさん家族と妹家族の戸籍謄本、住民票も取得してもらい、財産を受ける人の確認ができます。

証人2人は夢相続が担当します。

 

■病院へ出張、病室で遺言書

祖母は体調を崩して入院中だということで、公証人、証人が病室まで出向いて遺言書を作成することになりました。それまでにKさんが祖母も含めて病室で遺言書の原稿も見せて、署名もできるように、事前に合意を得て、予行演習として、祖母の意思確認もしていました。

当日は、Kさんの両親、Kさん、妹も揃って祖母の病室であらためて話をしてもらい、その後、入れ替わりに公証人、証人が公正証書遺言を担当しました。相続人は遺言書作りに立ち会えないため、いったん席を外してもらう必要があるのです。

祖母は102歳ながら、自分で署名もでき、公証人の問いかけに答えられて、孫やひ孫に財産を遺贈することの意思表示ができましたので、無事に公正証書遺言が出来上がりました。

 

■公正証書遺言は170歳まで保管される

公正証書遺言は原本の遺言者と証人、公証人が署名、押印して完成します。公正証書遺言の原本は証役場で保管されます。 保管期間は遺言者の 死亡後50年、証書作成後140年または遺言者の生後170年間とされています。170歳まで保管されるということですので、安心して、長生きできるということになります。

さらに公正証書遺言のデータは全国どこの公証役場でも確認できるように保管されています。

 

■遺言書は家族全員の合意を

公正証書遺言は本人の意思を反映したものですので、自分の意思竹で作成することも可能です。けれども、今回の祖母の場合、孫やその配偶者とひ孫に遺贈する内容ですので、財産を受ける人の戸籍や住民票が必要になります。

そのため、本人の意思だけでなく、財産を受ける人全員の合意のもとに作る必要があります。

今回はKさんのリードのもとに、相続人である両親やKさんの配偶者や妹とそれぞれの子どもたち全員に祖母の意向を伝えて、合意を得ています。こうすることで祖母への感謝も深まり、遺留分などの争いも起こらないと言えます。

 

公正証書遺言のメリット

安全性・確実性
公正証書遺言は、公証人が遺言を作成・保管するため、偽造や改ざんのリスクが低いと言えます。また、裁判所の検認が不要です。

意思の明確化
公証人が意思確認をしながら遺言を作成できるので、内容が明確で争いを避けやすいです。

法的効力の強さ
遺言書が法律の専門家である公証人により、法律に基づいて作成されるため、無効になるリスクがほとんどありません。

安心感
遺言者が認知症や体調不良であっても、適切な意思確認が行われるため、後々のトラブルを回避できます。

 

孫やひ孫への遺贈のメリット

直接的な資産承継
孫やひ孫に直接遺贈することで、遺産を次世代に渡しやすくなります。特に、孫に特定の資産や支援をしたい場合に有効です。

相続税対策
孫やひ孫に遺贈すると、子の代を飛ばして財産を渡すことになり、場合によっては世代を超えた相続税の負担軽減が図れる可能性があります。

 

注意点

相続税の負担増加
孫やひ孫に遺贈する場合、孫は「直系卑属」に該当しますが、「孫への相続税」は2割加算されるルールがあります。これにより、相続税が高くなる可能性があります。

孫の配偶者への遺贈も相続税は2割増しになります。

生活状況・年齢を考慮
孫が未成年であったり、生活能力がない場合、財産管理が難しくなる可能性があります。このため、管理人を遺言執行者として指定することや信託を活用することが考えられます。

 

まとめ

Kさんは、祖母が体調を崩して入院したこともあり、慌てて相談にこられました。幸い、祖母は回復され、意思確認もできる状況になりましたので、公正証書遺言ができあがったのでした。

この間、3週間程度で、公証役場の最短のスケジュールで作成してもらうことができました。

これでいつ相続になっても安心だとKさんは安堵されていました。現金贈与なども実行して、相続税の負担を減らすこともしていくということで、家族の協力のもとにもう少し対策を進めていくと言っておられました。

なにより、102歳という高齢ながら祖母の公正証書遺言ができたことで、安心できたとKさんは話しておられます。

いままでは、夢相続で公正証書遺言の証人を受けている方の最高齢が98歳の方でしたが、Kさんの祖母の遺言書ができ、最高齢の更新となりました。

 

 

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