事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
30年間貯めてきたのに。相続で現金がなくなる!
◆30年前に相続
Uさん(60代女性)の父親は30年前に亡くなり、母親と養子になっているUさんの夫の3人で相続をしました。父親は先代から相続した多くの土地があり、ずっと土地を守ってきたと言えます。
亡くなった時の父親の財産は自宅と2棟のアパート、その他も多くの土地を所有していました。財産を半分相続した母親は納税はなしですが、財産の半分を相続したUさんは相続した預金の全部を納税に充てました。それでも父親は預金を残してくれたので、相続税の納税を乗り切ることができました。
◆二次相続
次は母親の相続を控えているため、母親も、Uさん夫婦も、アパートの家賃や貸宅地の地代はなるべく使わずに30年間、ずっと貯めてきました。普段の生活費はUさん夫婦が働いた収入で賄ってきました。
二次相続の相続税の納税のため、預金をし、生命保険にも加入、コツコツと貯めてきたといいます。
父親は50代で早く亡くなったのですが、母親はそれから30年長生きし、80代で亡くなりました。
◆相続税は払える
母親の財産は、父親から相続した不動産や貯めてきた預金で、7億円以上となり、相続税は2億7000万円となりました。30年間コツコツと貯めてきた預金と生命保険で2億5000万円になっていましたので、納税のめどはついていますが、その後、自分たち夫婦の対策をどのようにすれしばいいかという相談でした。
◆30年貯めたお金が無くなる
Uさんは両親の姿を見て育っていますので、土地をずっと守っていくのが財産だと思って守ってこられたようです。母親の相続税も30年間貯めてきた預金と生命保険金で納税できると思っておられますが、これでは、土地は残るが30年間貯めてきたお金を相続税で払い出して残らないということになります。Uさんやご両親にすれば、土地を守ることが第一とすれば当然のことかもしれませんが、客観的にみればとても残念なことだと言えます。
◆評価が小さくなる財産
土地が多いというのは財産としてはよいのですが、Uさん夫婦が相続された不動産は貸宅地が9割で、地代が入るとはいえ、自分たちで使えるわけではないので、自由度は低いと言えます。
よって今回の納税方法として提案したのは、貸宅地を処分して相続税に充当することです。借地権は70%で、底地は30%の評価で申告、納税しますが、売買価格が相続評価以下にしかならない場合は、売買価格を時価として申告評価にできるのです。
相続税を節税しながら、納税資金にすることで預金や生命保険金を残すことができ、Uさん夫婦の相続対策のために使えるお金にできるのです。
Uさん夫婦はこの機会に貸宅地の一部を処分して納税に充てるようにし、貸宅地を整理していくことにしました。
財産の持ち方として、相続税を払うための財産ではなく、評価の低い財産にすることで無理なく残していける財産にすることがこれからの対策になります。
◆相続実務士のアドバイス
●できる対策
貸し宅地を売却して納税資金とする
相続評価以下の売却代金であれば、時価申告をして相続税を減らす
●注意ポイント
相続評価以下であれば、売買代金を時価とでき、評価よりも低い評価で申告できます。
その際は、申告期限までに売買契約を締結しておく必要があります。
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