事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
90代でもできる節税対策がある。5ヶ月で実現できた!
◇叔母にはこどもがいない
Мさんの叔母は亡父の妹。
長男で実家を継いだ父親が自宅の離れに住まわせてずっと面倒を見てきました。
叔母は1男5女の6人きょうだいの一番下で、結婚したものの、配偶者に先立たれ
子どもに恵まれなかったことから、実家に戻って生活してきました。
長女のМさんは、結婚していったん家を離れましたが、子どもが生まれ
住まいが手狭になったことから、実家の敷地に家を建ててもらい、住んでいます。
よって、離れに住む叔母とも家族のように食事を一緒にしてきており、
叔母が高齢になってからは、病院への送り迎えなどもМさんが引き受けてきました。
その叔母も90代になり、ひとりくらしはできなくなり、老人ホームへ住み替えています。
◇叔母はまとまった金融資産を所有
叔母の配偶者は亡くなり、親も他界。
よって現在の叔母の相続人は兄弟姉妹ですが、すでに全員亡くなっているために、
代襲相続人であるМさんきょうだいや、いとこたちが相続人となり、全員で10人となります。
叔母はいままで元気でしたので、Мさんにも財産の内容は教えてくれなかったのですが、
老人ホームに入るにあたり、財産の管理もМさんに任せると言ってくれました。
叔母は不動産は所有していなくて、財産はすべて金融資産です。
亡くなった夫から相続した現金を銀行の定期預金、投資信託、生命保険などに分けています。
ほとんど勧められるまま購入したもので、何年も持っているだけといいます。
投資信託だけでも1億円近くあり、定期預金などを合わせると約1億6000万円ほどになり、
基礎控除を超えて、相続税の申告が必要になります。
◇叔母の遺言書
叔母は長年、Мさんと父親にお世話になってきたからと、公正証書遺言を作成して財産の一部は
姉の子どもに渡す記載がありましたが、残りすべての財産はМさんに相続させるということを明記してくれています。
いままでは叔母の財産なので自由に使ってもらっていいと考えてきましたが、
遺言書で指定してもらい財産の額を確認するにつれ、このままなにもしないと相続税がかかり、
申告も必要になると知って、なんとかしたいと相談に来られました。
◇いまからできる節税対策
叔母は財産が金融資産ばかりで、そのままでは節税できないこと、
認知症になってしまうと解約が大変になることが想定されます。
よって、預けっぱなしの投資信託を解約し、そのお金で家賃収入が入る
区分マンションを2部屋購入することをご提案しました。
現金で区分マンションを購入して賃貸しておけば、不動産評価は時価の30%程度に下がりますので、
それだけで申告不要の財産になり、賃料収入が得られる財産に変わります。
叔母に説明したところ、Мさんが勧めるなら任せるということになりました。
銀行に出向いて投資信託を解約。
購入する不動産は2室とも賃貸中のため、外観を下見して、確認して、
叔母の意思確認を取りながら、売買契約も済ませることができ、ひと段落しました。
これで叔母の財産はそのまま残すことができ、叔母にも喜んでもらえたとМさんも安心されました。
また、毎月の家賃が20万円程度になり、資金的な不安もなく生活できるということです。
相続実務士からのアドバイス
金融資産のままでは節税できないため、相続税で減ってしまうことになりかねません。
ご本人の意思が明確なうちに対策をしてしまえば、安心できるでしょう。