事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
4代さかのぼると相続人は36人!先延ばしするだけ、大変になる
◆突然の電話
Мさん(50代女性)は兄から電話があり、衝撃の内容を伝えられました。Мさんは兄と2人きょうだいです。実母とは幼い頃に死別し、父親が再婚した後妻に育てられました。よってМさんの意識の中から実母の記憶はほとんどありません。
ところが兄が言うには、実母方の曽祖父名義の土地が残っていて、実母のきょうだいが相続したいので、遺産分割協議に協力してもらいたいということなのです。
◆相続放棄したい
Мさんは兄から「〇〇さんから書類が送られてくるから」と聞いていましたので、心の準備はしていました。それでも、まったく会ってもいない亡母の兄から届いた手紙の内容には驚くばかり。実母の祖父の土地は5坪ほどのわずかなものですが、4代前の曽祖父の名義のままで変えられていないのです。
同封されている家系図をみると子供、孫、ひ孫も合わせて相続人は36人にのぼります。
Мさんとすれば、亡母の記憶もないのに、他の親族はなおさら。相続放棄したいがどうすればいいかと相談にこられました。
◆放棄も大変
相続放棄するには亡母の戸籍を全部集めて、家庭裁判所に申述するようになります。しかし、亡母の戸籍を集めるにも時間と費用がかかり、家庭裁判所に書類を提出するにも手間はかかります。自分で手続きすれば費用はそれほどかからないのですが、司法書士や弁護士に手続きを依頼するとなると費用がかかります。
そこでアドバイスしたのは、自分の相続の権利を特定の相続人に譲渡するようにすれば、相続するものはなく、実質は相続放棄と同じことになります。その方法であれば「譲渡証書」に実印を押印し、印鑑証明書と戸籍謄本を添付することで手続きはできます。
せめても手間と費用をかけない方法として、「譲渡証書」で対応されるようにアドバイスしました。
◆司法書士へ
亡母の兄に確認すると手続きは司法書士に依頼するとのこと。そこで、登記の専門家である司法書士に印鑑証明書などは送付するとすれば安心感があることもアドバイスし、Мさんはそのように対処するとなりました。
どうしていいかわからないところを、不安がなくなり、安心できたとほっとされていました。
相続登記も4代さかのぼると相続人は36人となり、とても大変な手続きになります。登記法が変わり、相続後3年以内に相続登記をすることが義務付けられましたので、今後はこうしたことは減っていくと思いますが、早めの対処が大事になります。
◆相続実務士のアドバイス
●できる対策
相続放棄ではなく、相続の権利譲渡である「譲渡証書」の作成で対処できる
●注意ポイント
親族であっても印鑑証明書、戸籍謄本など個人情報となる重要書類を送ることは抵抗感があることでしょう。手続きを担当する司法書士であれば不安は少ないと言えます。
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