事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
所有する1棟マンションは共有名義!築50年。これからどうする?
◆母親の生前対策
Kさん姉妹(共に60代)が相談に来られました。母親が老人ホームに入所したため、自宅マンションが空室になっている、これからどうすればいいだろうかというご相談です。
母親の自宅は、4階建てで12世帯が入居しています。
築50年となるため給排水設備などが老朽化しており、建て替えを検討する時期だと言えます。
◆賃貸事業は赤字
そもそもは父親が自宅の敷地に賃貸併用の共同住宅を建てたのですが、父親が20年前に亡くなったあとは母親名義として、家賃収入で生活をしてきました。
しかし、現在ではピーク時の家賃よりも少しずつ下がっており、維持費や修繕費がかかるため、生活費に回せる余裕がなくなってきました。
退去後のリフォーム代もKさん姉妹が立て替えないといけないため、いよいよなんとかしないといけないと言います。
◆共有名義
登記簿で確認すると、そのマンションには共有者があり、3階に住むAさんと、以前は住んでいたが今は3階を賃貸しているBさんが一部屋ずつ所有しており、母親と共有名義になっているのです。
建てた時のいきさつを両親からは聞いていないため、分からないものの、土地も建物も3人の共有名義であることは登記簿上の事実です。母親が9割、AさんとBさんで残り1割の所有で、大部分は母親名義なのですが、建て替えるにも、売却するにも3人の合意が不可欠と言えます。
◆建て替えできる?
マンションの立地はいいので、Kさん姉妹は建て替えてまた賃貸したいと言われるのですが、母親の意向だけでは進められません。
方法とすればAさん、Bさんの持ち分を母親かKさん姉妹が買い取ることで、意思決断をしやすくできます。
しかし、母親には買い取る資金源がありませんので、母親の代わりにKさん姉妹や親族がお金を出し、Aさん、Bさんから買い取る方法もあります。
買い取り資金を負担しなくてもいい方法となるのは、共有者3人で一緒に売却し、所有する割合で売却代金を分けることです。これが無理のない、現実的な方法かもしれません。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒共有者の持ち分を買い取り、建て替えをする。
共有者と一緒に売却をして共有解消をし、売却後は新たに賃貸物件を購入する事により家賃を得る。
●注意ポイント⇒共有者があると全員の合意が不可欠。
合意が得られない場合は長期化することも想定されるが、できるだけ短期間で解決できる方法が必要。
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