事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
嫁としての配慮がない!自分の財産を絶対に渡したくない!
◆夫が亡くなった
Aさん(60代・女性)の夫は商社に勤務し、営業の第一線として活躍してこられました。海外勤務も長く、都度、Aさんも同行して夫を支えてきました。
夫は定年を目前にして体調を崩し、病院で検査したところ、ガンを告知されて入院し治療をしてきました。
幸い、抗ガン剤治療が功を奏し、退院後は仕事の現場に復帰して、また海外出張をこなすなど以前と変わらぬ仕事ぶりで夫もAさんも本当に安堵したといいますが、やはり、1年後に再発。結果、告知されてから3年目に亡くなってしまったのです。
夫の相続手続きは一人息子とAさんの2人ですので、全財産をAさんが相続するという形ですることができ、ようやく落ち着いたというのですが、これからのことでAさんが一人で相談に来られました。
◆息子夫婦に頼れない
一人息子は現在30歳。既に結婚しており、結婚式は夫の病気が発覚する前に済ませていましたので、夫も喜んでいて、よかったということです。
ところが問題が発覚したのは夫の葬儀の時だといいます。
Aさんが喪主、次に一人息子、その次は息子の妻が親族に近いところですので、一番近いところでAさんや息子に寄り添って、協力することは当たり前のように思えるのですが、息子の妻は通夜も告別式も、ぎりぎりまで仕事をしていて、Aさんの神経を逆なでるような態度だったのです。
息子は自分の妻に強く言う性格ではないため、結果、義父の葬儀よりも自分の仕事を優先する結果となりました。
このことがAさんにとって許しがたいできごとだったのです。
そのことを直接嫁に言ったところ、機嫌を損ね、その後の納骨や一周忌も顔を見せることはなく、息子だけが実家に帰ってきたのです。
◆民事信託であればできる
「自分の財産は嫁やこれから生まれるだろう孫には絶対に渡したくない」と思うようになったAさんの希望を実現するには、「相続発生までは本人が受益者、相続後は子が受益者、子が亡くなった時は換金して〇〇へ寄付する。受託者は△△会社あるいは△△会社が指定する法人」というような内容で民事信託契約をしておくことで叶えられます。
ただし、民事信託は不動産や金融資産の名義を受託者に変えることになります。委託者で受益者でもあるので、賃料などは自分が受け取るのですが、名義が変わることに抵抗感があるかもしれません。
しかし、方法があるとわかればAさんの気持ちも落ち着くでしょうし、もう少し時間をかけると考えも変わるかもしれません。
相続実務士のアドバイス
●できる対策⇒民事信託契約をすれば、息子に相続、その後、その配偶者へという流れは変えられる
自分の考えが実現できる。
●注意ポイント⇒不動産や金融資産の名義が受託者に変わり、
自分ではなく受託者が実務を担当することを理解する必要がある。
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