事例
相続実務士が対応した実例をご紹介!
相続実務士実例Report
自宅ビルが高収益。ふたりで分けられない!?
◆祖父の代の相続対策
Rさん(40代男性)の実家は最寄り駅から徒歩3分。幹線道路にも面しています。祖父の代から酒屋を経営していたといいますが、祖父の代に相続対策として8階建てのビルを建てて、賃貸事業を始めました。経営していた酒屋はやめて、1階はコンビニエンスに貸しています。
ビルの建築費は10億円ほどかかりましたが、祖父が亡くなった時は負債を差し引くことができ、祖母もいたので、相続税はほとんどかかりませんでした。長男である父親と祖母が共有で実家を継ぐ形でビルを相続しています。
◆父親が急逝
祖父の相続から5年後に祖母が亡くなりましたが、同居や賃貸事業の特例を生かすことができ、そのときも相続税は大きな負担ではなかったといいます。祖母の相続が終わってほどなく、父親は事故で急逝してしまったのです。まだ60代で、相続のことはなんの準備もできていなかったといいますが、母親が配偶者の税額軽減の特例や同居の小規模宅地等の特例を適用することができたので、またもや相続税は大きな負担なく、済ませることができたのでした。
ビルは母親がひとりで相続するのは大変となり、長男のRさんが40%、母親が60%の割合で共有したのでした。
◆妹はどうする?
Rさんが相談に来られたのは、母親(70代)の相続対策をしておきたいということですが、主に妹(40代)とどのように相続すればいいかということでした。
妹は独身でまだ母親と同居していますので、ビル内にある自宅に住んでいます。Rさんは結婚を機に実家を離れて別のところで生活をしています。
父親の相続のときに妹がビルを相続しなかったのは、母親の意向でビルの運営はRさんのほうが向いているし、長男でもあるためでした。
また、妹はいずれ結婚して家を離れるのではと想定もしていました。
◆遺留分8000万円
母親の財産の9割はビルで、預金は1000万円ほどしかありません。このまま相続になると妹に分ける預金も少なく、ビルをRさんに、預金を妹にとすると9対1となり、不満が出そうです。
ビルは1つで分けられず、共有するときょうだいでもうまくいかなくなることもありますのでおススメできないのです。こうしたこともRさんの心配事でした。
◆もめたくない!どうすれば?
母親はまだ元気なので、いまからできる対策に取り組むことができます。ビルが分けられないため、妹にはもうひとつ別の不動産を購入して分けられるように用意をしたほうがよいと考えられます。母親の預金が少ないため、銀行融資を受けることになりますが、ビルや購入物件の家賃収入から返済でき、相続税の節税効果も出せるのです。
Rさんは「すこし方向性が見えたので、母親と妹と相談してみる」と言って帰られました。
相続実務士のアドバイス
■相続実務士のアドバイス■
●できる対策
妹に渡せる不動産を購入する
銀行借り入れすれば相続税の節税にもなる
財産の評価が下がれば遺留分も減らせる
●注意ポイント
妹用の不動産の借り入れが残ると正味財産が少なくなるため、Rさんが代償金を払ってバランスを取る必要もあるかもしれません。
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