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2016年8月24日(水)発行 朝日新聞 朝刊5面に掲載

2016/08/30

2016年8月24日発行 「朝日売新聞」/5面に掲載 「教えて!変わる相続制度」

進む高齢化 関心高まる


人が亡くなると、お金や土地は残された遺族が引き継ぎます。
高齢化が進むなかで、この相続制度の見直しがいま、検討されています。
大幅な改正は1980年以来のことです。

朝日新聞  2016年8月24日(水)発行 朝刊 5面

株式会社 夢相続 代表取締役
相続コーディネート実務士 曽根惠子が取材協力致しました。
 
掲載記事は、下記よりご覧いただけます。是非ご覧ください。

2016年8月24日(水)発行 朝日新聞 朝刊5面に掲載


 読売新聞2016年8月24日(水)発行 朝刊5面に掲載 
 「教えて! 変わる相続制度」
 夢相続 取材協力 掲載記事(PDFファイル)
  



「家族の一部が勝手に話を進めている」「お互いの言い分が対立している」……。 コンサルタント会社「夢相続」(東京)には、こんな相談が寄せられる。同社が昨年までの9年間で受けた遺産分割の相談399件のうち、もめる相手は兄弟姉妹が最も多く、3分の2を占めた。「争族」と呼ばれるほど、トラブルに発展してしまう例は多い。

 「近年は離れて暮らす家族が多く、コミュニケーションの希薄さが争いを生んでいる」と曽根恵子社長はみる。
2014年の国民生活基礎調査によると、65歳以上のいる世帯のうち、一人暮らしか夫婦だけの世帯は過半数に及んだ。他方で昨年1月、相続税が増税された。都内のある税理士は「相続税に関する相談が以前の2~3倍に増えた。相続への関心は間違いなく高まっている」と話す。

 1898(明治31)年に施行された明治民法は、封建的な社会を反映して家を重視し、戸主が強い力を持っていた。亡くなると次の戸主が家の財産を継ぐ「家督相続」が基本だった。

 戦後の1947年に現行民法となり、家督相続は廃止され、配偶者にも相続権が認められた。

 次の大幅な改正は80年。核家族の増加などを背景に、子どもと分ける場合の配偶者の法定相続分が、3分の1から2分の1に。亡くなった人の財産を増やすのに特別に貢献した場合などには取り分を増やす「寄与分」制度も新設された。

 今回の見直し議論のきっかけは、2013年の最高裁決定だ。結婚をしていない男女間の子(婚外子)の相続分を、結婚した男女間の子の半分とする規定は、婚外子への差別で、憲法違反と判断した。この規定は廃止されたが、その過程で自民党内の保守派から「家族制度が壊れる」「結婚した妻やその子の権利を守るべきだ」という声が出た。

 そこで法務省は14年に有識者会議を設置。その結果を踏まえ、15年4月から法制審議会(法相の諮問機関)の相続部会が議論し、今年6月に中間試案がまとまった。

 ■長年一緒の配偶者、優遇案

 中間試案に盛り込まれた見直しについて、法務省は高齢化が進んだ社会への対応を理由に挙げる。65歳以上が占める割合(高齢化率)は85年に10・3%だったのが、15年は26・7%で4人に1人を超えた。同年の平均寿命は男性が80・79歳、女性は87・05歳で、30年前より約6年延びた。

 家族のあり方への国民意識の変化も理由に挙げる。年齢を重ねてからの離婚や再婚も増加。一方が亡くなったとき、結婚期間が長い夫婦もいれば、短い夫婦もいる。再婚相手に子どもがいれば、相続人が増える。

 今回の見直しでは、法律婚で長年連れ添った配偶者の優遇策が目立つ。結婚から20~30年が過ぎた夫婦の場合、配偶者が子どもと分ける際の法定相続分について、2分の1から3分の2に増やす案が示された。夫婦で長く暮らしていれば、財産を増やすことに貢献してきた、という考え方だ。

 また、自宅の所有者が亡くなっても、配偶者がそのまま住み続けられる「居住権」の新設も盛り込まれた。遺産分割が終わるまでの「短期居住権」と、終身または一定期間の「長期居住権」を設ける。

 このほか、「長男の妻」など相続人ではない人が介護などで貢献していた場合、相続人に金銭を要求できる制度を新設。遺言制度を使いやすくするため、自筆証書遺言のうち土地の目録などはパソコンによる作成も認めるという。

 法務省はこうした試案について、9月末まで意見を公募している。結果を踏まえ、法制審の部会が再び議論をし、法相に答申する。同省は来年の国会にも改正法案を提出する方針だ。

 (金子元希)

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