よくあるご質問
【相続発生後】親の介護をしてきました。寄与分は認められますか?
ご相談者の背景
[相談者] 父
[相続人] 長男、次男
[財産の構成] 自宅、現預金
[相続の状況] 父が亡くなり、相続が発生しました。
ご相談の内容
・父が亡くなる以前に、長い看病をしてくれた私に全財産である自宅を相続させるという公正証書遺言を残してくれました。
しかし、父が亡くなった後、長男より遺留分の減殺請求を受けました。
介護が必要であった母の時も、父の時も協力せず、全く家に寄り付かなかった長男に対し、財産を相続させたくないという思いがあります。
このような場合、寄与分をどの程度主張できるのでしょうか?
夢相続からのアドバイス
親の介護をした場合、寄与分については相続人の間で意見がまとまらないことが多く、相続の中でも多くみられるトラブルといえます。
介護は心理的・肉体的・経済的に大きな負担であり、心情的に認められて当然と言いたいところですが、民法では親族間の助け合い・扶養義務を当然としているため、通常の介護では寄与として認められないケースが多いのが現状です。
相続人の間で意見がまとまらない場合、家庭裁判所の調停などで寄与分の主張をしますが、前述のとおり通常の介護では寄与があったと認められず、よほど特別な寄与の状況が必要になると言えます。
父親が遺言を残して「介護し、寄与してくれた」という意思表示があれば、遺留分を侵害しない範囲で寄与分が認められます。しかし、遺言がない場合は、長男と話し合いをしなければならず、互いに歩み寄る必要があると言えます。
ポイント
・寄与分の評価については相続人の間での話し合いで決定する。
・お互いの協議が整わない場合は、寄与者が家庭裁判所に請求を行い、裁判所が寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮し寄与分を定める。
・寄与してくれた家族がいれば、将来揉めないように遺言書を残しておく。