夢相続コラム
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【コラム相談事例】不動産がひとつでは分けにくい!築10年、満室のいまは売り時になる!
2019/10/08
【コラム相談事例】不動産がひとつでは分けにくい!築10年、満室のいまは売り時になる!
●母親は有料老人ホームに住み替え
Mさん(50代・女性)の 母親は80代半ばです。父親は15年前に亡くなりました。そのときは母親と妹と相談して、相続税の負担がないようにするため、父親の全財産を母親が相続しました。
財産は1億円ほどで、ほとんどは自宅の土地が90%を占めています。自宅の半分は父親が開業していた医院で、あとを継ぐ人がないため、使われていない状況でした。
Mさんも、妹も、結婚して別のところで暮らしているため、父親が亡くなった後、母親は一人暮しをしていましたが、広い自宅での1人暮しは不安だと言って、有料老人ホームを探して住み替えしました。
●隣地から協力を得られず、売却は断念した
Mさんと妹はそれぞれ嫁いでいるため、実家に戻って生活することはありません。そうなると空き家の自宅は維持しにくいため、売却して、ホームの費用に充てようと考えました。母親も説得して、売却の準備を始めたのですが、隣接地の所有者から境界確認の立ち合いや承諾書にハンコがもらえません。隣地との境界確認がないとトラブルのリスクもあるため、通常の価格よりも低くなることがあります。そのため、Mさん家族も売却は断念しました。
●自宅から賃貸住宅に建て替えて収入の不安は解消
自宅の半分は父親が医院に使用していましたので、そのままリフォームして貸すには適していません。そこで、古い建物は解体し、母親名義で、賃貸住宅に建てかえて収入を得るようにしました。
母親は70代後半で、自ら動くタイプではありません。Mさんと妹が協力して建築会社と打ち合わせをし、銀行融資も取り付けて、すべての段取りをしました。
借入は約1億円で、毎月家賃収入が100万円あり、建築費の返済をしても半分程度50万円ほどは手元に残ります。その収入が入る事で、母親の老人ホームの生活費がまかなえていますので、空き家のままにしなくてよかったとМさんと妹は、納得しておられます。
●母親の相続はどうする?
母親は老人ホームで転倒して骨折してしまい、要介護となりました。そのため、有料老人ホームから介護サポートがある老人ホームに入所しています。毎月22万円の費用がかかりますが、現在は家賃収入から。この先の相続のときは、どうすればいいか、考えておきたいとMさんと妹の2人で相談に来られたのです。母親は自分の相続のことは考えたくないようで、なかなか相続や遺言書のことは言い出しにくい雰囲気ですが、このまま相続になると分けにくい財産ですので、いまから選択肢を検討しておくことをお勧めしました。
【相続では分けることを考える】その1 今から売却
2人で共有することきは課題となるため、お勧めできません。やはり、分ける事を考えておくことが必要です。
1つだから分けられないため、今から売却して現金にしておくか、2つの不動産に買い替えする方法が選択肢となります。母親のアパートは築10年で、まだ新しく、現在は満室ですので、売却しやすい条件が整っています。持ち続ければ建物の価値は下がるため、早めに売却して、いまからわけやすく2つの区分マンションなどに分けておくようにします。
【相続では分けることを考える】その2 どちらかが引き受けて代償金を払う
どうしても親の土地を残したい場合は、どちらかが引き受けて、もう1人には代償金を払う方法もあります。売却と違い、譲渡税などの負担がない分財産が目減りすることはなく、別々の財産となりますので、将来のトラブルはありません。しかし、不動産評価大きいため、代償金もかなりの額となり、まとまった現金がない場合は、金融機関から借り入れする必要も出てくるかもしれません。今から計画的に貯めておくか、生命保険などで用意する必要があります。
●ポイント
・きょうだいで不動産の共有はしないほうがトラブルになりにくい
・築浅、満室で、条件がいいときに思い切って売却、買い替えしておく
・一人が不動産を相続すれば、他には代償金としてお金を払う分け方もある
●相続実務士から
財産が1棟の賃貸住宅が大部分、それに見合う現金がないのに、子どもが2人となると分けにくい財産の典型です。同じ形で持ち続けるという固定観念から離れて、売却して分けることも必要です。
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