夢相続コラム
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【相続実例コラム】土地活用:土地を残してアパートを建てた高橋さん
2020/05/27
【相続実例コラム】土地活用:土地を残してアパートを建てた高橋さん
●高橋家のプロフィール
相続対策は万全
・相続人関係図
被相続人 母(不動産賃貸業)
相続人5人 配偶者(既になし)
長女(結婚して他家へ嫁いでいる)
次女(結婚して他家へ嫁いでいる)
三女(結婚して他家へ嫁いでいる)
長男(自営業、母と同居)
養女(長男の妻、母と同居)
高橋さんは母親が90歳に近い年齢になられた頃から、いよいよ相続のことが気になり始めました。父親はすでに亡くなり、姉3人と長男である自分と養子縁組した高橋さんの妻の5人が相続人です。
高橋さんの母親の資産は、自宅の土地、建物とマンション1棟、貸家6棟で、自宅以外には賃貸物件が建っていますから、相続対策はすでにできていると言ってもいいかもしれません。けれども、平成8年当時に相続税の予想額を出してみると約6000万円となりました。そこで、もうひとつの対策をすることにし、自宅の庭100坪にアパートを建てることにしました。周辺はファミリータイプが多いので、1DK4世帯と2DK4世帯の2タイプとしたところ、順調に稼働しています。これで相続対策は万全と思われました。
●相続コーディネートのポイント
・遺産分割・・・次の分けた財産が戻ってくる
父親が亡くなったとき、財産のほとんどは母親と長男の高橋さんの二人で2分の1ずつを相続しました。現在の母親の財産は、自宅や貸家の土地550坪で約2億円、借入は7000万円です。高橋さんの考えでは、姉達にはいくらかの現金を分けることで了解をもらい、残る全てを一人で相続するつもりでいました。母親と養子縁組している妻は、いずれ夫である自分の相続では配偶者として権利があるので、今回は相続するものはないとするつもりでした。ところが、ほとんどの財産を高橋さんが相続するとなると、父親の相続の時に母親と二人で分けた財産がまたひとつのところに戻ってくるのです。
父親から相続したものを合わせると高橋さんの財産は6億円になり、負債を引いたとしても予想される相続税は1億円以上になります。そこで今回の相続を利用し、妻に半分を分けることにしました。そうすることで、今回の相続税も節税でき、高橋さん自身の相続税も半分近くになります。
・評価・・・土地の区画割り図を作成して減額する
相続する土地は3カ所です。角地の自宅200坪と隣接のアパート100坪、高橋さんの所有地を挟んで貸家用地250坪ですが、自宅も貸家用地もほぼ真四角で、利用するには効率はよくありません。そこで、宅地の区画割図を作成して、有効宅地率を出して評価をしました。
・評価・・・私道部分は減額する
貸家は土地の中央に道路を入れ、両側に3棟ずつ建てています。宅地の中の私道で、分筆はしていません。本来は宅地評価ですが、道路としての利用だけなので、道路部分の面積を測り、減額するようにしました。
・納税・・・相続税は全額銀行借入
母親の財産には現金はほとんどありません。相続税の他に登記費用や鑑定費用、3人の姉へ支払う代償金などを合わすと約1000万円の現金が必要です。土地の売却や物納もできますが残りの土地が変形になるため、全額銀行借入としました。
☆次の節税対策・・・配偶者の贈与特例利用
母親の相続手続きが完了した後、高橋さん名義の自宅の土地建物のうち、評価で2060万円程度を奥さんへ贈与しました。配偶者贈与の特例を利用して、無税の範囲内で財産を移すことにしました。これも確実な相続対策です。
☆資産価値を高める対策・・・銀行返済と節税対策のアパートを建てる
相続税の銀行借入の返済原資にするためと自分の相続対策のため、高橋さんはさらにもう1棟アパートを建てることにしました。1LDK10世帯で、建築費と相続税の借入返済をしてもまだ手元に40%程度は残ります。これで、土地は無くさずに相続を乗り切り、次の自分の対策ができたのです。
●相続の価値はココ!
○遺産分割
財産が1人に集まる遺産分割を避け、財産の分散をした
財産を分散して保有することで、次の相続税も節税できた
○評価
相続税の節税対策のため、マンションとアパートを建てたことで確実な節税となった
○納税
相続税は銀行借入したので、土地は残すことができた
○資産維持
次の節税対策として配偶者の贈与特例を利用して財産を移した
相続税の節税対策と銀行借入の返済原資のためアパートをもう1棟建てた
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