夢相続コラム
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【相続相談の達人コラム】財産管理という“たかり”?母親の財産が食いつぶされる!
2019/05/21
●相談者 Kさん(40代)・職業:会社役員
●相続人 父親(故人)、母親70代、長男50代、長女50代、二男40代Kさん、三男40代、二女40代 :6人
相続事情 父親から財産を相続した
Kさんは5人兄弟の二男。父親は、農家の長男でしたので、祖父から引き継いだ土地を貸して、賃貸事業をしていました。財産は約6億円あり、大部分が土地です。
年前に父親が亡くなったとき、財産は、母親が半分相続し、残りを子供たちが10分の1ずつ相続しました。
子供が共有で相続した土地については、Kさんが相続した駐車場以外は、納税のためにすべてを売却しました。
3分の1は納税のためになくなりましたが、残り3分の2はそれぞれにまとまった現金が残ったのです。Kさんは駐車場を相続した分、現金は少なく、他の4人は現金だけを相続したことになります。
財産の半分を相続した母親には相続税はかかりません。けれども、相続した大部分は、畑や空き地ですので、固定資産税の支払いや管理も大変になりそうです。
そこで、やはり、相続後に売却し、半分は別の立地に区分マンションを購入して、家賃収入を得るようにしました。
これが課題 母親の財産を管理してきた
こうした相続手続きは、主にKさんが代表で行いましたが、母親ときょうだいにもよく説明し、全員の了解のもとに遺産分割協議書を作成して、手続きをしています。
Kさんは仕事のために実家から離れたところに生活をしているのですが、相続の手続きを代表する適任者がいなかったのです。
そのため、相続税の申告までにKさんは何度となく実家に戻り、専門家に依頼をして申告を済ませ、納税後にきょうだい達に現金を分けることも全部取り仕切りました。
相続後は、母親の財産を守るために、Kさんが母親の預金や不動産を管理するようにし、入出金の明細を作って、定期的にきょうだいへも報告をしていたのです。
こんな結末になった 母親の財産が食いつぶされる
ところが、父親が亡くなってから数年が経ち、いきなり地元の弁護士から通知が来ました。
母親から財産管理の委託を受けたので、預金などを引き渡すようにと言ってきたのです。
さらには、きょうだいからも委託を受け、遺産分割もKさんが勝手にしたことで自分たちは知らなかった、Kさんが相続した駐車場もきょうだいの権利があるので、遺産分割をやり直せと提訴されたのです。
どうやら、兄と弟が画策して弁護士に相談したことがきっかけのようです。
同居する長男は独身で定職につかず、三男も独身で、2人ともお金があれば使ってしまうタイプなのです。今までからも親のお金をあてにするような言動がありましたので、母親の財産はKさんが守らなくてはという考えでしてきたことなのです。
弁護士からの通知で驚いたKさんは、母親やきょうだいにも会って真意を確認しましたが、母親と姉や妹は、「自分たちは頼んだ覚えはない。」と、長男と三男は弁護士に任せたからと話になりません。
弁護士の契約書のひな形がありましたが、相当な費用が見込めることから、母親の財産を管理するという名目で報酬をもらうために、争いにもなっていないのに、法廷へ引っ張り出そうということなのでしょう。
結局、Kさんも弁護士に依頼して対処するしかなく、裁判が始まりました。
Kさんは自分の欲得でしてきたことはなく、何事もオープンにしながらきょうだい公平にしてきたのですが、残っている母親の財産が見えるため、それが狙われたということでしょう。
結果、裁判に2年もかかり、弁護士に相当な費用を払い、財産が減ったばかりか、きょうだいはばらばらになりました。母親の財産管理は弁護士がすることで引き渡しましたが、それにも費用がかかっていきますので、弁護士に払うばかりで、何も残らないのかと思えます。
この事例の教訓
・いきなり弁護士から提訴
→財産があり報酬が見込めるとなると、誠実な人を悪者にしてしまう
・弁護士は一方の味方
→財産があることがわかれば取り方は作られてしまう
頼むなら、こんな専門家を探したい
・良識のある専門家を選ばないと争いに巻き込まれる
・報酬のために無理矢理争いにしてしまうような専門家には近づかない
遺産相続評論家・相続実務士のアドバイス
きょうだいが円満に母親の財産を管理するならば、とくに弁護士はいらないところです。
しかし、母親の財産が早目に欲しいという利害が一致した子供と弁護士が動いたと言うことでしょう。Kさんが家族のためを思って努力してきたことなのですが、弁護士にそうした理屈は通じません。致し方なく、争っても得策ではないこという判断で弁護士に引き渡したのですが、理不尽さが残りました。
コラム執筆
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