夢相続コラム
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【相続相談事例】独身の義姉の面倒なんか看ない!二世帯住宅だと売れない
2022/07/28
【相続相談事例】独身の義姉の面倒なんか看ない!二世帯住宅だと売れない
■二世帯住宅
Hさん(70代男性)が夫婦で相談に来られました。Hさん家族は、両親と独身の姉と自宅で同居してきました。15年前、父親が亡くなったとき、自宅の土地は長男として、Hさんが相続しました。
建物が老朽化してきたため、10年前に建て直したのですが、母親と姉が住む家とHさん家族の家とは玄関を別にした完全な二世帯住宅としました。
■二世帯住宅を建てた
土地は父親が亡くなったときに長男だということで、Hさん名義にしました。家を建て直すとき、それぞれの家族の費用で建てるようにしましたので、建物の3分の2はHさん、3分の1は姉名義となりました。母親の名義にするよりも、長く住む姉名義にしようとなり、姉も自分のお金を出しています。
■共有名義だと売れない!
Hさん夫婦には2人の子供がいますが、2人とも結婚して家からはなれて独立しました。よって2人暮らしには広くなったと言えます。
Hさんは70代になり、老後のことを考える年代で、妻といろいろと相談する中で、ずっと広い家に住み続けるよりも、子供たちの世話にならなくていいよう、老人ホームに入ろうと意見はまとまりました。それには家を売却する必要があります。
■独身の義姉の面倒はみない!
土地はHさん名義でも、建物に姉の名義が入っていれば勝手には売れません。姉に話をしたところ、自分はずっと最後までこの家に住み続けると言うのです。しかも、老後の面倒は義妹であるHさんの妻や甥姪に見てもらいたいとも。
それを聞いたHさんの妻は怒り心頭になったのです。「自分たちは子供に負担をかけないようにと考えているのに、とても、義姉の面倒など見られない。」「入院などすれば身内が保証人なり、都度都度呼び出されるが、そんな役割は引き受けられない」と。
■買い取るので出てもらいたい
姉との共有だと思うとおりにならないので、姉が出し分を買い取って、姉に出てもらえないかと話をしたのですが、姉はずっと住み続けるの一点張り。受け入れてもらえそうにありません。当然、一緒に売却するという話に合意が得られるはずもありません。
Hさん夫婦はほとほと困り果てて相談にこられたということなのです。
■お金の問題ではない
姉は実家だからずっと住み続けたい、独身なので弟夫婦に面倒を見てもらいたいという気持ちが強く、高く買い取るからというような提案では納得されないだろうと想像できます。
しかし、妻の「義姉の面倒なんかみない!」という意思も固く、これではうまくいくはずがありません。70代はまだ、これから20年前後の寿命があるはずで、生活が続くと思われるのに、ストレスをかかえたままではよしと言えません。
■解決策はあるか?
姉が売らないというのであれば、弟が土地と自分の建物を貸して、住替えるという選択肢はあります。姉の相続人は弟ですから、姉が亡くなったときにはHさんが相続することになります。売却は先延ばしをして、自分たちが住みかえて、自宅は賃貸して姉と距離を置くことで、感情的なトラブルは軽減できます。
■相続実務士より
姉弟でも家族の形も違い、考えも違いますので、建物を共有したばかりに感情的な対立になりかねません。長い人生、個々に判断、決断ができるように、土地を分筆して、建物も別々にするべきでした。二世帯住宅はメリットも大きいものの、デメリットもあり、慎重に考えないといけないということです。
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