夢相続コラム

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【それぞれの相続物語】(21)二人の子供に現金を公平に贈与

2022/11/01


【それぞれの相続物語】(21)二人の子供に現金を公平に贈与

 

◆相続関係者

●依頼者 清水さん(女性40代)・職業 主婦

●被相続人 母(予定)

●相続人  長女、次女(本人)

●財産の内容 自宅不動産、貸店舗(共有)、預貯金、有価証券

 

◆相続事情 貸店舗を共有

 清水さんは母と姉と自分の3人で3分の1ずつ貸店舗を共有しています。母の兄で独身を通した叔父が所有していたもので、亡くなったときに遺言で遺贈を受けたものです。

 

その店舗は観光地にあり、駅からも至近で立地がよく、家賃収入は3人で分けています。今のところは大きな問題はないのですが、清水さんには気になっていることがあります。

 

 

◆課題 母に万一のことがあったら・・・

清水さんが心配しているのは、現在は母がいてバランスが取れていますが、姉と2人になったときには共同で運営していくことがストレスになるのではということです。姉は勝ち気で何でも仕切るタイプで、何か話し合いをしてもすぐに感情的になり、おっとり型の清水さんとは波長が合わないところがあるからです。

 

現在の賃貸事業は、契約事や修繕の発注などはすべて姉が担当してくれています。清水さんとすれば助かることではありますが、姉には何事もしてあげているという発言があり、落ち着かない気持ちであるのが本音ということです。また、貸店舗は木造の2階家で老朽化しており、今後の修繕費や維持費を考えると課題が大きいことを不安に感じています。

 

◆解決へのアドバイス

◇共有を解消する

賃貸物件を姉妹で共有することは、経営上のトラブルだけでなく、将来の相続の問題もあるため、課題が多いと言えます。

 

そこで、この機会に共有を解消されることを提案しました。具体的な方法は、共有者が買い取る方法や全体で第三者に売却する方法などいくつか考えられますが、本来は共有者全員の合意のもとに進めなければなりません。

しかし、姉は売ることも買い取ることも反対の様子。そこで、母親に清水さんの持分を買い取ってもらうことを提案しました。

 

◇節税対策をしておく

母親が清水さんの持分を買い取るということは、現金が不動産に代わるわけですから、財産の評価が下がり、節税になります。これで相続税の申告も不要な範囲にもなりました。また、清水さんは不安のある共有から解放され、現金を得ることができました。相続をしてから3年半しか経過していませんが、遺贈によって取得した財産なので、売却した際に係る税金も安く済みました。

 

さらに母親はこの機会に2人の娘に同額の現金を贈与することにされました。相続時精算課税制度を利用しての贈与です。2500万円までは特例を使うことで贈与税はかかりません。受ける側の負担がなく、すぐに娘たちが使えるようになるので、先延ばしにするよりもよかったということです。

 

◆まとめ

相続になったときに不動産も法定割合で共有しなければいけないと思われることがあるようで、清水さんの場合も父親が亡くなったときに母親と姉、清水さんの3人で、法定割合で相続されました。母親がいるうちはまだ表だったトラブルには発展しないのですが、将来は2人で所有するときは感情的なトラブルになることもあります。

 

そうしたことを解消し、合わせて母親の節税対策のための提案をしました。清水さんは、不動産のことで姉とやりとりをしなくて済むようになり、ほっとされたようです。母親も生前贈与ができ、満足されました。

 

◆相続実務士からのアドバイス

賃貸不動産を所有する現金で買い取れば、評価が下がり、節税になります。

兄弟姉妹で不動産を共有する場合は、トラブルに発展することもあり、避けた方が無難です。すでに不動産を共有している場合は、できれば生前に解消しておくことが望ましいが、共有者間で時価売買するのが一般的です。

 

 

 

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