夢相続コラム
弊社の活動内容や日々のできごと、お知らせなどをお伝えします
【相続実例コラム】1,000万円の相続税を0円にし、子どもたちが分けやすいように不動産を整理した岡庭さん
2020/08/31
【相続実例コラム】1,000万円の相続税を0円にし、子どもたちが分けやすいように不動産を整理した岡庭さん
岡庭さんは、地方に200坪の自宅、150坪の敷地にアパートを持つ地主さん。2人の子どもは独立し、現在は、奥様と2人住まいです。近所の人や親戚の話が相続の時にトラブルに巻き込まれたという話を聞いて、自分が亡くなった時、妻や子どもたちに、たくさん相続税を払わせるのは嫌だと考え、相談にみえました。
●1.地方在住でも相続税は1,000万円に
1-1 小規模宅地等の特例を使っても評価額が高額に
課税遺産総額は、アパートを建設した際の借入金を差し引いても1.7億円ありました。相続税額は、税制の控除を適用させても約1,000万円になります。岡庭さんは、アパート経営をおこなっているので、自分の場合は無税だと思っていたのでショックだったようです。自宅不動産の場合、「小規模宅地等の特例」の適用により、自宅が建っている土地の相続税評価額は、大幅な節税ができますが、岡庭さんの場合は、自宅が200坪もあり、330㎡分の土地の評価額を減額しても、かなりの金額になってしまいます。
1-2 借入金がもうすぐ返済完了に
岡庭さんのアパートは、先代から受け継いだ土地に建ててあります。お陰で銀行から、建築費の一部を借り入れしただけで、建築をしました。そのために、もうすぐ完済する予定です。一見、よさそうに思えますが、相続の視点から考えると、税金が増えてしまうことになります。
1-3 預金は、節税にならない
岡庭さんは、とても真面目な性格で、コツコツと貯金する性格です。今年、定年を迎え、貯金は9,000万円にもなりました。昔、購入した国債などの有価証券も400万円に。現金や有価証券が9,400万円あると、額面通りの相続税評価額となってしまい、節税効果はありません。
●2.資産の組み替えすることで無税に
2-1 現金と有価証券は節税効果の高い不動産に組み替えを
対策の最優先項目は、1億円以上ある現金と有価証券を不動産にすることです。岡庭さんには2つのパターンを提案しました。
① 現在所有しているアパートの建て替えを行う
アパートは木造で築25年。法定耐用年数を超えていますが、1室につき、駐車場2台が確保でき、車社会の地域のニーズに合っているせいか、現在満室です。今後も賃貸需要があると見込んで、アパートの建築費は現金と有価証券を使い、建て替えます。
② 都心部にマンションを購入する
① のアパートは利回りがよいので、すぐに買手がつくと分かりました。売却金額と現金・有価証券の資金で都心に区分所有のマンションを現金で購入します。
2-2 子どもが困らないような財産の所有を
岡庭さんは、どちらのパターンにしようか、とても迷っていました。自分自身は、先祖代々受け継いだ土地を手放すのは惜しいと思い、①案を希望しました。しかし、奥様が②案の方がよいと反対していました。
そこで「お子さんに聞いてみたらどうでしょうか」と声をかけ、2人のお子さんも相談の場に同席することに。子どもたちは、管理が楽な都内の区分所有のマンションを希望し、岡庭さんは都心で駅から徒歩圏に建っている区分所有マンションを2部屋購入しました。これならば、相続発生時に2人の子どもに平等に行き渡ります。
結果、岡庭さんは、提案②を選択されました。現金と有価証券を不動産にし、賃貸アパートを売却し、区分所有マンションを保有することで、9,000万円以上の節税に成功し、なおかつ、子どもたちにとって「負動産」にならないような資産(マンション)を渡せる目途がたち、大きな不安は解消できたのです。
弊社では様々なプランをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。
コラム執筆
吉井 まゆみ
相続実務士、宅地建物取引士、AFP、2級ファイナンシャルプランニング・技能士
お客様の人生に寄り添った相談業務ができるよう、日々努力しております。
賃貸、売買、用地仕入れと、ひと通りの不動産業務を経験してきました。女性ならではの感覚で、行き届いたコンサルティングを心掛けています。
土地や建物でお悩みのかた、お気軽にご相談ください。