夢相続コラム
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【コラム・贈与、購入】告知された夫の意思をいかして対策をした山本さん
2020/10/09
【コラム・贈与、購入】告知された夫の意思をいかして対策をした山本さん
●ご家族の状況
○依頼者 山本さん(女性・60才代)・職業 主婦
○家族関係 夫、妻(本人)、長男
●相談内容
山本さんの夫は会社を定年退職し、ほっとしたのもつかの間、体調を崩してしまいました。近くの総合病院で検査を受けたところ、深刻な病気だと診断され、入院、手術をしました。その後、何度か入退院を繰り返して、闘病生活をしてきました。いよいよ余命半年と宣告され、山本さんは相続のことが不安になり、本を読んで親子で相談に来られたのです。
夫は会社員でしたが、父親から相続した財産があり、まとまった保険に入っていました。しかし、そうしたことも元気な頃はすべて夫に任せきりで、相続なんて先の話だと考えもしませんでしたが、それだけにこのままで大丈夫なのかもわからない状態でした。
幸い、子供は独身の息子ひとりで、争いにはなりません。息子も仕事の合間に病院に来たり、自宅に来たりと協力してくれることが救いでした。
●生前対策の提案と節税効果
■課題
・自宅不動産の評価が低く、小規模宅地等の特例の効果は少ない
・財産の大部分は一時払いの生命保険で、節税にならない
■課題を解決する提案
【贈与】[居住用の配偶者贈与の特例で自宅を妻に贈与する]
夫の体調を考慮し、すぐにできる節税対策として、自宅を妻の山本さんに贈与することを提案しました。万一、他の節税対策が間に合わないようなことがあるかもしれないため、少しでも確実に節税できることは着手しようと判断しました。
【購入】[生命保険を解約し、収益マンションを購入する]
山本さんの夫は、父親から相続した財産を換金し、全部を生命保険にしていました。保険であれば安心という認識だったのかもしれませんが、節税効果は2人で1000万円しかなく、それ以上は課税されてしまいます。そこで、1億2000万円は解約し、収益マンションを4室購入することで、節税しながら、家賃を受け取る形にしました。自宅で使い切れなかった小規模宅地等の特例も賃貸事業用でも使える余地を作りました。
■対策実行後の効果 相続税は、2390万円節税できた
こうした対策のご提案につき、山本さんは夫にも説明し、理解を得ながら進められました。自宅の贈与はすぐに手続きができ、少し安心して頂きました。その後の保険の解約、不動産の購入についても3ヶ月ほどで手続きができましたので、夫の意識があるうちに報告ができたのです。節税対策が進んで、納税が少なくでき、家賃収入が入る財産になったことで、夫はとても喜んでくれたと山本さんからお聞きしました。その後、宣告通りに半年後に亡くなりましたが、相続の不安はなく、本当によかったと言っておられました。
対策を実行した場合、相続税は、2390万円節税できます
☆ここがポイント
・居住用の配偶者贈与の特例はすぐにでき、節税効果は大きい
・一時払いの生命保険を解約して収益不動産を購入、賃貸することで節税できる
●相続実務士より
生命保険金は非課税枠の相続人1人500万円までしか節税効果はなく、金融資産と同様の扱いになります。残してきた財産が相続税で減ってしまうのは残念だと言えますので、決断されることをおススメします。山本さんは夫の余命宣告を受けてから対策をされましたが、夫にも内容を知らせることができ、安心頂けたことは本当によかったと思います。
弊社では様々なプランをご用意しております。
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