夢相続コラム
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【相続相談事例】売るのも、買い取るのも反対。共有するとトラブルのもと
2022/03/07
【相続相談事例】売るのも、買い取るのも反対。共有するとトラブルのもと
アパートを4人で共有
Aさん(50代・男性)は4人きょうだいの末っ子です。
父親は20年前に亡くなり、その後、母親は5年前に亡くなりましたので、
そのときに実家をきょうだい4人で共有にて相続しました。
実家はアパート併用住宅で、全部で8世帯あります。
母親がそのうちの1室に住んでいましだか、施設に入ったときに荷物も処分し、
生前から実家の全部を賃貸していました。
母親が亡くなったとき、遺言書もなかったため、きょうだいで話し合いをしたが
話はまとまらず、結果、致し方なく、4人で共有することになりました。
家賃は4人で分配
建物は、築40年は過ぎていますが、最寄り駅まで5分程度と好立地なことが幸いして、
現在も満室となっていますので、家賃を4人で分けています。
しかし、長女、長男はすでに60代、次女、次男(Aさん)も50代となっていますので、
このさき順番に相続が発生することになります。
いまのところは大きな問題もなく賃貸経営ができていますが、このままの状態で
さらに何年も共有できること限らず、不安があります。
買い取りたい
そこで、自営業で資金的な余裕のあるAさんが、姉や兄の持ち分を買い取りたいと
申し出ましたが、いい返事がもらえませんでした。この先、どうすればいいか、
Aさんが相談に来られました。
共有解消するために、いちばん簡単なのは4人で売却して金銭を4等分することです。
しかし、思い出の実家は残せません。
次は共有者が買い取る方法で、たとえば姉や兄がAさんに4分の1ずつを売却して
Aさんひとりの名義にすることもできます。姉や兄はまとまった譲渡代金が入りますが、
その後の家賃収入は入りませんので、面白くないかもしれません。
建物を度外視して、土地自体を4つに割ける方法もありますが、今回のアパートは
敷地延長の区画ですので、道路復員が確保できず、選択肢からはずれました。
共有の課題
共有解消はなにかしらの犠牲(土地が残せない、家賃が入らない)が必要になりますが、
このまま共有するほうが、課題が増えていくため、早めに解決することをお勧めしました。
Aさんが買い取る案が受け入れられないというのは、身内だからいい感情にならないと
いうことでしょう。
よって、今回の選択肢は「全員で売却」が妥当だと判断されました。
Aさんにもそうしたことを説明して、姉兄にも働きかけていくようにお勧めしました。
しかも、Aさんが言い出すよりは「相続の専門家からの提案」だと説得力があることも
説明し、そうした場を作ってもらう働きかけをしてもらいます。
相続実務士から
相続のとき「分けられないから、とりあえず共有」というごきょうだいは多くあります。
「とりあえず」だとしても「解決策が見えなくなる」ため、安易な共有はお勧めできません。
弊社では様々なプランをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。
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