夢相続コラム

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【価値ある相続を実現する】争いになっても解決できた実例5

2021/08/24


【価値ある相続を実現する】争いになっても解決できた実例5

要求に譲歩することで遺産分割ができた亀井さん

□亀井家のプロフィール・・・相続人の関係が複雑

被相続人 父(執筆業、アパート経営)
相続人  継母(無職)
     長男(結婚して別居、定年後、無職、継母と養子縁組)
     長男の妻(主婦、父、継母ともに養子縁組)
     次男(故人、結婚して別居、代襲相続人の娘が未成年で次男の妻が法定代理人)
     三男(結婚して別居、サラリーマン、父親の土地に家を建てて住んでいる)
     長女(主婦・結婚して他家へ嫁いでいる)

財産のほとんどが不動産

亀井さんの父親は、長く教職に就いておられ、定年後も専門関係の本を執筆するなど活躍しておられました。健康が自慢で寝込んだこともないほどだったというのに、体調を崩して入院したときは既に手の施しようがなく、数ヶ月の入院で亡くなってしまったとのこと。亀井家の財産は先祖からの不動産がほとんどです。自宅は最寄り駅から徒歩数分の商店街にあります。その奥には2棟の倉庫や貸家などが建っている細長い地形です。他にも土地があり、貸し地やアパートにしていました。

次男の妻が相続人になる

実母は5人の子供を残して亡くなってしまい、父親は、その後現在の継母と再婚しています。継母と子供たちは円満な人間関係を築いてきましたので、幸いなことに、それは問題ではありませんでした。それよりも次男が既に亡くなっており、次男の妻が家族の誰とも波長が合わないばかりか、自分主義でまわりに協力する性格ではないことのほうが心配だつたのです。次男の子供が代襲相続人となりますが、一人娘はまだ未成年で、母親が法定代理人です。つまりは次男の妻が子供の代理で相続人の立場になるわけです。
次男の妻は、父親の法要にも出てこなかったので、三男の亀井さんが代表で財産分与の話をしにいきました。ところが、何事も疑心暗鬼で、全ての財産の明細を提示してもらいたいとのこと。さらに最後の機会なので財産はできるだけ多くもらいたいとのことで、とにかく自分の権利の主張ばかり、ほとほと手を焼いてしまったのです。

法定割合分を請求された

次男の妻は、今回の相続でも始めから「法定割合の財産はもらいたい」と主張していました。現在高校生の一人娘を医者にしたい希望をもっているとのこと。それには多額の教育費が必要です。いままでは嫁の立場で夫の実家の財産に関しては知る術もなかったところ、父の相続といういい機会ができたので、すべてを確認したいという意向でした。亡くなった次男は、義母と養子縁組みをしていないため相続権はありません。今回が最後の機会なので、できるだけ多くの財産をもらいたいとはっきり意思表示してきました。

◆なぜもめたか、検証する!

・人間関係が複雑、継母、養子の長男の妻、代襲相続人の次男の妻と他人が多い
・次男の妻と他の相続人間で長年の恨みや感情の行き違いがあった
・次男の妻は他の相続人を誰も信用していない
・法要も出てこない次男の妻には財産を分ける必要もないという相続人もあった
・次男の妻に全財産をオープンにするつもりはなかった

◆解決はこうした

・全財産の評価と具体的な分割案を提示する
財産の評価をするとともに遺産分割の案も資料を作成して、全員に提示しました。次男の妻の希望にあわせた法定割合分を他の姉弟も分けることを前提とし、あとは継母と長男に分けるようにしました。継母は半分まで無税という特例が利用できますが、養子縁組をしているのは長男夫婦です。今回の相続では自宅以外の不動産は長男が相続するなどして割合を多くして二次相続の負担を減らすことにしました。

・粘り強く対応する
次男の妻がなかなか結論を出してくれないばかりか、あらたな要望が出てくることもあり、計算書や提案書は何度も作って説明しなければなりませんでした。次男の妻が他の相続人とは意思の疎通を欠いており、信頼していませんので、直に話はしたくないとのこと。それは、他の相続人も同じことで、できれば顔を合わせたくないし、財産もできれば分けたくない人もあり、まとまらないと思えました。そこでこちらが相互の橋渡しとなり、粘り強く対応しました。

・ようやく実印をもらう
次男の妻以外の相続人はまとまっており、意義を言う人はいません。誰もが次男の妻がほどほどのところで折れてくれたらという気持ちをもっていました。しかし、納得しないうちは印鑑を押さないということでは分割協議が終わらず、土地の売却代金も支払ってもらえないとなります。
そこで、他の相続人には多少不本意なところもあるようですが、ある程度は次男の嫁の希望を受け入れていくことを了解してもらいました。基本は法定割合ですが、それを少し多めに分けることでようやく納得してもらい、不動産を多く取得する後妻や長男が代償金を支払うことを決めて、遺産分割協議書の調印を終えることができました。
三男は早く解決してもらったと喜んでもらえました。次男の妻からもいい結果になったとお礼状が届いており、それぞれの立場で納得されたようです。

◆価値はココ!

○生前より財産評価を出していた
早めに財産評価を出すことが第一、生前に既に整理して確認してあるといい成果があげられる

○財産全部の資料を提示する
遺産分割協議では疑心暗鬼になると進まない、財産は隠せるものではないという説明でオープンにしていくことが解決の近道

○相続人個々に説明する
一同に集まると余計な感情も引き出すので、話をするときは別々にする

○裁判にならずに解決した
期限前に遺産分割協議が完了し、それぞれ納得できた

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