夢相続コラム
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【相続実例コラム】行方不明:行方不明の弟の手続きに困った清水さん
2020/06/22
【相続実例コラム】行方不明:行方不明の弟の手続きに困った清水さん
●相続関係者
被相続人 父
相続人3人(母、長男・相談者、次男・行方不明)
●相続事情
清水さんの父親は、昭和40年代に化学処理の法人を設立し、経営をしてきました。業績も順調で、工場や事務所も建てることができ、会社の資産も増えてきたので、父親は、自分の子供に後を継がせたい気持ちが強かったようです。ところが、長男の清水さんは医者の道へ進んだので、次男を跡継ぎにと期待をしていたようです。
ところが、次男は厳格な父親に反発し、実家を飛び出し、金融関係の会社に就職してしまったのでした。ほどなく弟は消費者金融より借金をして、蒸発。父親は「親子の縁を切る」と怒り心頭だったのです。その後10年以上経ったいまでも弟は音信不通のままで、父親が亡くなったことを知らせる術もありませんでした。
会社の後継者は清水さんのいとこがなり、父親は株の所有は残して経営権を譲ったのです。
●相談者にこられたきっかけ
父親の会社の顧問税理士に相続の申告をお願いするつもりで、行方不明の弟のことも相談してみましたが、手続きの仕方はわからないとアドバイスもしてくれなかったのです。
仕方なく自分で家庭裁判所に出向いて確認すると財産管理人を選定しなくてはいけないとのことで、税理士に財産管理人になってもらいたいと相談したところ、それも引き受けないとのつれない返事で信頼を無くしたということ。
困った清水さんはインターネットで検索し、無料相談にメールを送ってこられたのがきっかけです。自分で手続きの仕方を調べてはみたが、複雑で先が見えず、とても期日に間に合わないのではないかと心配になったとのことでした。
●運命の分岐点・ここがポイント
☆分割の工夫で納税はゼロに
清水さんとしては会社の株式等は、いろいろと面倒なことも起こりうるかもしれないと思い、一部は自分名義にしてもいいという気持ちでした。しかし、行方不明の弟さんのことさえめどをつけておけば他に争う相続人もいません。よって今回は配偶者の特例を最大限に利用するため、配偶者が全財産を相続するようにし、納税はなしにしました。
☆家裁へ財産管理人の選定申し立て
財産管理人は私が引き受けることにし、司法書士を通じて家庭裁判所に手続きをしました。まず財産管理人選定の申し立て、次ぎに遺産分割協議の申し立てと二度家庭裁判所に審判を下ろしてもらい、3ヶ月程度の期間で手続きは無事完了しました。
☆弟へも財産を確保する指導
最初は弟に分ける財産はないとして、家庭裁判所に申請しましたが、やはり弟の法定割合分の財産を分けるように指導がありました。そこで、法定割合程度の預金を行方不明者のために残し、財産管理人が管理するということで了解をもらえました。
●相続実務士の視点
清水さんは内科の医者ですから、診療は専門ですが、相続のことになるとまるで判らず、自分でなんとかしなければと動いたときはほとほと疲れ果てたとのこと。こちらに相談に来られてから短期間に今後のスケジュールと財産の評価を提示すると、本当によかった、こんなことなら顧問税理士とギクシャクする前に頼めばよかったのにと言っておられました。
相続の手続きがあまりに大変なので、夢のある将来のことも考えられなかったが、ようやく精神的な余裕も出てきたとも言っておられました。
次は、二次相続の対策が必要なことを認識しておられますので、母親の住む家のすぐ近くに自宅を建てるときには、母親名義で現金で土地を購入し、資産の圧縮をされました。
こうして前向きなことに取り組んで頂けることもうれしい限りです。
弊社では様々なプランをご用意しております。
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