夢相続コラム
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【相続相談の達人コラム】異母兄がいた!会わずに、知らせずにすませたい!
2019/03/20
父親の戸籍謄本に先妻との子供あり!
Kさん(40代女性)は、80代の父親を亡くし、母親と一緒に相談に来られました。
父親の相続人は母親と妹二人で、合わせて4人だと思っていたところ、長女のKさんが父親の戸籍謄本を確認して、愕然としたというのです。
父親は母親(70代)と結婚する前に、結婚歴があり、しかも、子供が1人いるという記載がありました。Kさんたちにとっては異母兄にあたるわけで、父親の実子ですから、当然、相続人になります。
母親も聞いていなかった
Kさんの母親もこのことを知らされておらず、生前の父親から聞いたこともなかったため、まったく想像もしていなかったのです。
父親は報道関係の仕事をしていましたし、いろいろと交際範囲も広く、相続の知識もあったはずなのに、遺言書は残していませんでした。
この事実を妹二人に知らせても混乱するだけなので、母親とKさんだけでなんとか手続きができないかというご相談でした。
父親は遺言書を残していない
結果的に相続人は1人増えて5人になりますので、基礎控除は6000万円です。
財産の明細も持参されましたので、父親の財産は自宅と預金と株式で5000万円程だということも確認できました。相続税の基礎控除の範囲内ですので、相続税の申告は不要だとわかりました。
しかし、問題は遺産分割のための書類です。
遺言書がないので、相続人全員の同意が必要になりますが、方法はいくつかあります。
一般的には全員で「遺産分割協議書」を作成し、連名で実印を押し合うので、これは異母兄の存在も知ることになります。
遺産分割協議以外の方法もある
全員の連名で作る遺産分割協議書ではなく、自分の相続する権利を、他の相続人に譲る「譲渡証書」を作成することができます。これはひとりずつ作成することができるので、母親とKさんの希望する状況で進めることができます。
異母兄弟の存在を相続になって知ったというご家族はたまにありますが、どなたも受け入れがたい心情で混乱されており、会うことさえためらう状況です。Kさんや母親が、できれば妹達には知らせずに済ませたいと考えられたのも理解できるところです。さらには、自分たちも会わずに、円満な手続きをしたいというお気持ちも理解できるところです。
「譲渡証書」を作る方法で混乱を避ける
いろいろとお気持ちを聞く中で、今回は父親の財残はすべて母親が相続するため、子供たちは相続しないとして、異母兄にも理解をしてもらいたいとなりました。
この内容であればそれぞれが母親に譲渡するため、連名の遺産分割協議書は作らなくてもよくなり、個々に「譲渡証書」を作成します。
それでも異母兄に連絡をすることから始めて、理解を得ないといけないことに変わりはありません。父親が遺言書を残していれば手続きははるかに簡単だったのにと思います。
遺産相続評論家・相続実務士のアドバイス
会ったこともない異母兄の存在は受け入れがたいというのが多くの方の反応です。
一緒に生活してこそきょうだいという感情が芽生えるのでしょう。
だからこそ、会わないという選択肢は賢明な選択肢だと思えます。
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