夢相続コラム
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【相続相談事例】資産を隠される!兄弟の争い
2022/01/25
【相続相談事例】資産を隠される!兄弟の争い
【家族構成】
父(被相続人)
母
兄
弟(相談者)
【財産構成】
ご自宅(土地評価額1億円、建物評価額1000万円)
現預金 不明
遺産分割協議が進まない
母と兄は実家で同居しており、弟は家を出て別の場所で暮らしています。母は高齢ということもあり、最近痴呆気味です。
父が亡くなりました。葬儀等を粛々とすすめたが、遺産分割協議の段になり問題が発生しました。兄が資産の開示をしないのです。遺言書はありませんでした。
兄は同居ということもあり父母の通帳や印鑑を持っています。亡き父の口座にある金額は50万程度と言っているが、兄の言葉なので定かではありません。兄の要望は、遺産を全て母に渡すことです。そうすることで、1.6億円の配偶者控除の中におさまり相続税も発生せずいいのではないか、という主張です。
相談者(弟)は法定相続割合で分割したいというご希望です。資産を開示しない兄を不信に思っており、もし母に全ての資産が渡ると、通帳を握っている兄に資産がとられてしまうことを懸念しています。今回の相続時にある程度分割し自身の資産を明確にしたいというご希望です。また母が亡くなる二次相続の際に多額の相続税が発生するということも懸念しております。
譲歩しても譲らない兄
母に公正証書遺言を書いてもらう、母に後見人を付ける、銀行に父の預金口座の開示請求をする等、当社でいくつか資産保全策を提案しました。しかしご自身だけでは書類の準備等難しく、兄の機嫌を損ねる可能性も考えると踏み出せない、ということでした。
自宅を売却して、法定相続割合で分割しよう、と提案してももちろん応じません。兄は自宅に住み続けたいのです。
次に譲歩案として不動産を兄と弟、6:4で分割しないか、と提案しました。しかし兄からは、7:3でないと納得しない、その条件をのめないのであれば縁を切ってもいい、とまでいわれてしまう始末です。
このままだと、家庭裁判所に遺産分割調停の申立をしなければなりません。しかし余計に弁護士費用が発生してしまいます。第一、出来ることであれば家族とは裁判で争いたくありません。
協議が進まず、相続税の納税期限が迫っていました。このままだと相続税の延滞税が発生してしまいます。兄から現預金の額を正確に教えてもらえないが、恐らく母も兄もその費用は捻出出来ないようです。
無事に遺産分割協議が締結したが・・・
第三者である当社が話し合いの場を設けて、現預金、建物の名義は母に、自宅不動産名義は持ち分を母に1/2、兄1/4、弟1/4という分割案で兄からご納得いただけました。兄としてもこのままだと余計に費用がかかることは分かっていたようです。それでも押印いただけたのは、納税期限ギリギリでした。
今回の相続は一旦、決着しました。しかし次は母の相続が心配です。母の持ち分を分割することになりますが、現状だと兄は実家に住み続けます。弟が土地の所有権を現金化しようとしても、建物がある状態では困難です。他にも兄と弟どちらかが亡くなると所有権は細分化されていきます。
もし遺言書があれば、もし不動産が分割しやすければ、もし納税資金程度の現預金があれば。もし、と繰り返しても現状は一向によくなりません。残される御家族のために、ぜひ一度相続のプロフェッショナルである当社へ、ご相談いだけないでしょうか。
弊社では様々なプランをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。
相続実務士
住吉 信哉(すみよし しんや)
相続実務士、宅地建物取引士、AFP、2級ファイナンシャルプランニング・技能士、賃貸不動産経営管理士
相続のご相談は一人ひとりが異なります。どのようなケースでも対応できるよう、日々精進しております。
皆様の相続が幸せにつながるように、誠実に取り組んでまいります。